薬局薬学
Online ISSN : 2434-3242
Print ISSN : 1884-3077
原 著
後期高齢者におけるシベンゾリンコハク酸塩錠の安全な使用に向けた薬局薬剤師の果たすべき役割
西澤(深浦) まど香長谷川 佳孝 永野 悠馬前田 守月岡 良太大石 美也
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2024 年 16 巻 1 号 p. 15-20

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抄録

シベンゾリンコハク酸塩錠は腎排泄型の抗不整脈薬であるが,腎機能低下が予想される高齢患者等への処方実態を調査した報告は少ない.そこで,厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査」で公開されている年齢階級別の体重,血清クレアチニン値からクレアチニンクリアランスを推算し,それに応じたシベンゾリンの適正量と保険薬局の匿名加工済みレセプトデータの実処方量を比較することで,75歳以上の患者における一部の処方で腎機能を考慮した処方量調整の必要性が示唆された.また,シベンゾリンの初回処方量が推定腎機能に対する適正量を上回る患者では,その後の減量が有意に発生しやすいことが示唆された.これらのことから,薬局薬剤師は患者腎機能に応じたシベンゾリン処方量の適正化に,今まで以上に注力する必要性が示された.

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© 2024 一般社団法人 日本薬局学会

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