2025 年 17 巻 1 号 p. 86-100
本研究は視覚障がい者が薬を管理する方法と体調変化があった場合の対応方法について調査し,薬剤師として求められているサポートや服薬指導方法を検討した.調査は2023年5月~8月に視覚障がい者に対して対面でアンケート調査を実施した.結果,「薬に関して困ったこと」の質問に関する回答では重度の視覚障がい者(30名)は「ある」が16名(53.3%),「薬の情報を理解するのが難しい」が6名(20%),「薬を購入する時に選ぶのが難しい」が4名(13.3%),「薬の管理が難しい」が5名(16.7%),「薬を服用する時に見分けるのが難しい」が8名(26.7%)等であった.薬剤師は視覚障がい者に同じ質のサポートができるよう,薬局間での対応方法をQRコードのような音声データを導入して共通化し,必要な情報を提供するなど,最新技術を利用しながら今後さらに視覚障がい者への対応を検討する必要があると考えられた.