薬局薬学
Online ISSN : 2434-3242
Print ISSN : 1884-3077

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「かかりつけ薬剤師」制度に関する患者意識調査
石村 淳富崎 まゆみ
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論文ID: cr.2021-0012

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抄録

厚生労働省は,「患者のための薬局ビジョン」で,2025 年までにすべての薬局がかかりつけ薬局としての機能を持つことを目指し,2016 年に「かかりつけ薬剤師」制度を導入した.制度が導入され 5 年以上が経過したため,患者に意識調査を行い,制度の現状と今後の課題を検討した.同意のとれた 248 名の回答を対象として解析したところ,制度の認知が 22.2%,制度の利用希望は 40.7%となった.また,制度の希望者は,60 歳代,複数医療機関の受診者,お薬手帳の持参者,調剤薬局の選定理由では「信頼できる薬剤師がいる」「自宅から近い」,薬剤師への要求では「薬の相談」「健康サポート」「服薬指導」で非希望者よりも高い割合となった.したがって,制度の発展には,地域住民,年齢層,受診医療機関数等を考慮した制度を必要とする患者の選定,服薬情報の一元的・継続的な把握と薬学的管理等の実践,健康サポート等を含めた適切なコミュニケーションによる患者との信頼関係の構築が重要である.

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© 2021 一般社団法人 日本薬局学会
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