YAKUGAKU ZASSHI
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ノート
経腸栄養剤及びその成分による遊離フェニトイン率とフェニトインの吸収に及ぼす作用
桑原 直子清水(太田) 美穂不破 史子継田 雅美佐藤 則泰佐藤 眞治中川 沙織
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電子付録

2023 年 143 巻 1 号 p. 85-94

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Summary

Simultaneous administration of enteral formula and phenytoin in the clinical setting is known to reduce the plasma concentration of phenytoin. In this study, we examined the binding of phenytoin with enteral formulas and its components by quantifying the free phenytoin concentration. Furthermore, we investigated the effect of enteral formulas on gastrointestinal absorption of phenytoin in rats. The free phenytoin rate was reduced in vitro when phenytoin and enteral formula or pectin, a dietary fiber in enteral formulas, were co-administered. In vivo, when phenytoin and the enteral formula Mei Balance R® were co-administered, the time to maximum plasma concentration (Tmax) after oral administration was significantly increased. Moreover, the area under the phenytoin concentration–time curve from time zero to 6 h (AUC0–6 h) was significantly increased by co-administration of phenytoin with the enteral formula PG Soft EJ®. These results showed the gastrointestinal absorption of phenytoin differs according to the type of enteral formula. In addition, we found the first time that plasma phenytoin levels increase when combined with enteral formula. Among the components of enteral formulas, in particular, milk protein delayed the absorption of phenytoin. Moreover, milk protein, casein and carrageenan tended to increase AUC0–6 h. These results suggest the change in phenytoin concentration is due not only to the binding of enteral formula but also to the disintegration of components such as protein. Therefore, when co-administrated of phenytoin and enteral formula, phenytoin must be monitored frequently according to the enteral formula interaction.

緒言

抗てんかん薬であるフェニトインは,血漿タンパク結合率が約90%1と高く,体内動態が非線形性を示すため,2治療薬物モニタリング(therapeutic drug monitoring: TDM)の対象薬物となっており,投与量管理を厳密に行う必要がある.てんかんは,脳に異常がないにもかかわらず発症する特発性てんかんと,脳卒中などの脳疾患や事故などによる頭部外傷が原因となり生じる症候性てんかんに分類される.3症候性てんかんの場合,経口による食事摂取が困難であるケースが多く,経腸栄養剤が投与されることがある2,46が,フェニトイン及び経腸栄養剤を同時投与した際に,血中フェニトイン濃度の低下に伴い,痙攣発作が出現した症例4,5や,それによりフェニトインを増量した症例,6経腸栄養剤を中止すると血中フェニトイン濃度が中毒域まで上昇した症例4など,経腸栄養剤との併用によるフェニトイン濃度のコントロール不良の例が多数報告されている.さらに,フェニトインと経腸栄養剤の投与間隔を空けたり,投与方法を経口投与から静脈投与に変更し,血中濃度低下を回避しようとしても,改善は認められなかった報告2もある.また経腸栄養剤であるF2α®やラコール®とフェニトインをラットに同時投与すると,血漿中フェニトイン濃度が低下し,血漿中フェニトイン濃度–時間曲線下面積(the area under the phenytoin concentration–time curve from time zero to ∞: AUC0–∞)が有意に低下することが報告7されており,消化管から血中へのフェニトインの吸収を減少させた7と結論付けられている.このように,フェニトインと経腸栄養剤の併用投与により相互作用が起こることが問題となっている.しかしながら,経腸栄養剤に含まれる成分のうち,どのような成分あるいはどのような機序で血中フェニトイン濃度に影響を与えているかは,ほとんど明らかにされていない.

これまでにわれわれは,抗凝固薬であるワルファリンと経腸栄養剤の併用例において,経腸栄養剤の種類を変更すると抗凝固の指標であるプロトロンビン時間国際標準比(prothrombin time-international normalized ratio: PT-INR)が変動した症例を報告8している.更にその要因として,ワルファリンと経腸栄養剤あるいは経腸栄養剤に含まれているタンパク質を混合すると,タンパク質とワルファリンが結合し,遊離ワルファリン率が低下することも明らかにしている.9さらに,血漿タンパク質であるアルブミンと抗不安薬であるジアゼパムや強心配糖体であるジギトキシンが結合すること,10食物繊維(アルギン酸ナトリウム及びグルコマンナン)と三環系抗うつ薬(イミプラミン及びアミトリプチリン)とが吸着すること,11食物繊維(アルギン酸ナトリウム,ペクチンなど)及びアンギオテンシンII受容体阻害薬が吸着することなどが報告12されていることから,フェニトインの血中濃度の低下には,経腸栄養剤の成分であるタンパク質や食物繊維が関与していると考えられる.

本研究では,臨床現場で使用されている85種の経腸栄養剤あるいはその成分をフェニトインと混合後,遊離フェニトイン濃度を比較し,in vitroにおいて検討した.さらに,ラットを用いてフェニトインの消化管吸収に及ぼす経腸栄養剤あるいはその成分の影響をin vivoレベルで検討した.

実験方法

1. 試料

フェニトインナトリウム(純度99%)及び酢酸アンモニウム(HPLC用)は,シグマ-アルドリッチ社(St. Louis)製を用いた.生理食塩水は,株式会社大塚製薬工場(鳴門)製を用いた.経腸栄養剤は,株式会社明治(東京)製のメイバランスR®,メイフロー®及びYH®を,テルモ株式会社(東京)製のF2ライト®及びPGソフトEJ®を購入して用いた.なお,検討した経腸栄養剤の成分表をTable 1に示した.タンパク質であるミルカMPI®, LE80GF-US®,カゼインカルシウムS(-Ca)®,ラクトクリスタル®,LACTOMIN80-S®, PROGEL800®, Wheyco W80®及びウィルプロP20®は,日本新薬株式会社(京都)製を用いた.さらに動物実験に用いたタンパク質(乳タンパク質,ホエイ及びカゼイン)及び食物繊維(難消化性デキストリン,カラギナン及び大豆食物繊維)は株式会社明治から供与して頂いた.りんご由来ペクチン,かんきつ類由来ペクチン,メタノール(HPLC用),セボフルラン(生化学用)及び内標準物質として用いたワルファリンナトリウム(生化学用)は,富士フィルム和光純薬株式会社(大阪)製を用いた.寒天は伊那食品工業株式会社(伊那)製を用いた.メンブレンフィルターは,株式会社アドバンテック社(東京)製のdismic(0.45 µm)を用いた.限外ろ過ユニットであるセントリフリー(分子量30 kD)は,メルク株式会社(Darmstadt)製を用いた.

Table 1. Main Components of Each Enteral Formula (per 100 mL)
Mei Balance R®Mei Flow®YH®F2 Light®PG Soft EJ®
Calorie (kcal)67.1179.6100.079.6164.8
ProteinTotal amount (g)2.77.24.03.26.6
CompositionMilk proteinMilk proteinMilk proteinWhey proteinWhey protein
Soy proteinCasein sodiumWhey proteinSoy proteinSoy protein
Casein sodium
Lipid (g)1.95.02.81.83.6
Carbohydrate (g)10.528.616.112.824.0
Available carbohydrate (g)9.925.914.311.623.6
Dietary fiberTotal amount (g)0.72.71.81.30.6
CompositionLiquid dextrinDextrinLiquid dextrinDextrinDextrin
Indigestible dextrinIndigestible dextrinIndigestible dextrinSoy fiberAgar
Stabilizer (carrageenan)Soy fiberAgarStabilizer (pectin)
Thickener (carrageenan)Stabilizer (pectin)
Ash (g)0.61.30.80.71.1
Water (g)89.571.984.087.572.0
Vitamin K (µg)3.411.37.511.924.7
pH77444
Viscosity (mPa·s)740050200020000

2. 機器

HPLC装置のシステムコントローラー(CBM-20A),オンライン脱気ユニット(DGU-20A3R),送液ユニット(LC-20AD),オートサンプラー(SIL-20A),カラムオーブン(CTO-20A)及びフォトダイオードアレイ検出器(SPD-M20A)は,株式会社島津製作所(京都)製のUFLC Prominenceを使用した.分析カラムInert Sustain™ C18(4.6×250 mm,粒子径5 µm)及びガードカラムInert Sustain™ C18(4.0×10 mm,粒子径5 µm)は,ジーエルサイエンス株式会社(東京)製を用いた.遠心機は,トミー工業株式会社(東京)製のLC-230を,恒温器はタイテック社(越谷)製のThermo Minder SD-miniを用いた.

3. 遊離フェニトイン濃度の定量

経腸栄養剤あるいはタンパク質水溶液(50 mg/mL)800 mgにフェニトイン水溶液(5 mg/mL)60 mgを添加,ボルテックスミキサーで混合した.経腸栄養剤とフェニトインの割合は,今回使用した経腸栄養剤1回投与量(約300 g/300 kcal)と,実際に臨床現場において薬剤を温湯20 mLに溶解する13ことを考慮して決定した.なお,フェニトイン水溶液の濃度は,成人が服用する1回量(100 mg)14から換算した.タンパク質水溶液の濃度は,経腸栄養剤に含まれるタンパク質の濃度に合わせた(Table 1).次に,寒天水溶液,りんご由来あるいはかんきつ類由来ペクチン水溶液20 mLにフェニトイン水溶液(5 mg/mL)1.5 mLを添加,ボルテックスミキサーで混合した.寒天及びペクチンの濃度は,経腸栄養剤に含まれる食物繊維の濃度(Table 1)のほか,使用した寒天の取り扱い表示や寒天の粘度,15ペクチンを含有する健康食品中の摂取目安量1618等を基にして,濃度を0.1, 0.15, 0.2, 0.5, 1%(w/v)として用いた.コントロールは,経腸栄養剤,タンパク質あるいは食物繊維の代わりに水を用いて同様の実験を行ったものを用いた.これらの混合液を37°Cで30 min撹拌し,セントリフリーに添加,遠心分離(2000 g, 10 min)後,ろ液中の遊離フェニトイン濃度をHPLC定量した.9,19

4. 実験動物

10週齢のWistar雄性ラットは日本エスエルシー株式会社(浜松)から購入した.飼育は温度23±1°C,湿度50%,明暗サイクル12時間(明期7:00–19:00)に設定された実験動物室にてステンレス製ワイヤケージに入れ,自由水,自由摂取で1週間馴化を行った.飼育中はラボMRストック(日本農産工業株式会社,横浜)を与えた.なお,本研究は「新潟薬科大学動物実験規定第20条」の規定に従い実験計画を策定し実施した.また,これらの動物実験は,新潟薬科大学動物実験委員会の承認を得て実施した(承認番号 新20-11, 2020年5月承認済).

5. 動物実験方法

1週間馴化後のWistar雄性ラットを生理食塩水投与群(Control群,n=5),メイバランスR®投与群(n=3),メイフロー®投与群(n=4),YH®投与群(n=4),F2ライト®投与群(n=3),PGソフトEJ®投与群(n=5),乳タンパク質投与群(n=4),ホエイ投与群(n=4),カゼイン投与群(n=3),難消化性デキストリン投与群(n=4),大豆食物繊維投与群(n=4),カラギナン投与群(n=4)及びかんきつ類由来ペクチン投与群(n=3)の13群に分け実験を行った.経口投与試験前日にWistar雄性ラットをセボフルランで全身麻酔させ,右頸静脈にカニューレを施し一晩絶食させた.翌日,生理食塩水,各経腸栄養剤,各タンパク質あるいは各食物繊維を,2 mL/ラット300 g経口投与した.タンパク質(乳タンパク質,ホエイ及びカゼイン)は7.2 g/100 mL,食物繊維(難消化性デキストリン,大豆食物繊維及びカラギナン)は2.7 g/100 mLに調製されたものを用いた.かんきつ類由来ペクチンは生理食塩水を用いて2.7 g/100 mLに調製した.フェニトインは生理食塩水に溶解して30 mg/mLとし,30 mg/kg20となるように約0.3 mLを経口投与した.なお,生理食塩水,各経腸栄養剤,各タンパク質あるいは各食物繊維を経口投与した1分後に,フェニトインを経口投与した.投与後,10, 20, 30, 40, 50 min, 1, 1.5, 2, 3, 4, 5, 6, 24 h後に採血を行った.採血した血液はヘパリン処理後,遠心分離し血漿を得た.

6. 血漿中フェニトイン濃度の定量

得られたラットの血漿20 µLにワルファリン(内標準物質)のメタノール溶解液(0.42 µg/mL)を120 µL加え混合し,遠心分離(13000 rpm, 5 min)した.得られた上清をメンブレンフィルターでろ過した溶液をHPLC定量し,血漿中フェニトイン濃度の測定を行い,薬物動態パラメータとして最高血漿中濃度(maximum plasma concentration: Cmax),最高血漿中濃度到達時間(time to Cmax; Tmax)及び0–6 hにおける血漿中フェニトイン濃度–時間曲線下面積(AUC zero to 6 h;AUC0–6 h)を算出した.

7. フェニトインのHPLC測定条件

HPLCを用いて遊離フェニトイン濃度及びラットの血漿中フェニトイン濃度を定量した.測定条件は,既報21のLC-MS/MSのLC条件及びLC条件20を参考にして以下の通り定めた.流速:0.8 mL/min,カラム温度:室温,検出波長:210 nm,試料注入量:10 µL,移動相:5 mmol/L酢酸アンモニウム:メタノール=30 : 70,分析カラム:Inert Sustain™ C18(4.6×250 mm,粒子径5 µm),ガードカラム:Inert Sustain™ C18(4.0×10 mm,粒子径5 µm).

本測定条件におけるフェニトインの定量範囲は,0.1–500 µg/mLであった.なお,フェニトインとワルファリン(内標準物質)のピークは,標準溶液及びサンプル溶液で良好に分離できた(Supplementary Fig. 1).

8. 統計学的解析

得られたデータのうち,遊離フェニトイン率は平均値±標準偏差,血漿中フェニトイン濃度及び薬物動態パラメータは平均値±標準誤差で表示した.各群の有意差検定はEZRソフト(自治医科大学付属さいたま医療センター,さいたま)22を用いてTukey–Kramer testまたはStudent’s t-testで行い,危険率が5%未満(p<0.05)の場合を有意差ありと判定した.

結果

1. フェニトインと経腸栄養剤の混合による遊離フェニトイン率の変動(in vitro

フェニトインと経腸栄養剤を混合した場合の遊離フェニトイン率は,メイバランスR®で30.9±0.3%,メイフロー®で16.9±1.0%, YH®で10.6±0.7%, F2ライト®で10.7±1.2%及びPGソフトEJ®で10.3±0.9%であり(n=3, Fig. 1),すべての経腸栄養剤でコントロール(水)と比較して遊離フェニトイン率は有意に低下した(p<0.01, Tukey–Kramer test).遊離フェニトイン率は経腸栄養剤の種類によって異なり,メイフロー®, YH®,F2ライト®及びPGソフトEJ®は,メイバランスR®と比べ有意に低下し(p<0.01, Tukey–Kramer test),またYH®,F2ライト®及びPGソフトEJ®は,メイフロー®と比べ有意に低下した(p<0.01, Tukey–Kramer test).このように経腸栄養剤によって遊離フェニトイン率が異なる結果となった.

Fig. 1. Free Phenytoin Rates for Enteral Formulas Co-administered with Phenytoin

Data are presented as mean±S.D. of three independent experiments. * p<0.01 vs. control, #p<0.01 vs. Mei Balance R®p<0.01 vs. Mei Flow® by Tukey–Kramer test.

2. フェニトインの吸収に及ぼす経腸栄養剤の影響(in vivo

フェニトインと経腸栄養剤を併用投与した際の実際の吸収や体内動態をより詳細に解明するために,ラットを用いて検討を行った.各投与群におけるフェニトインの血漿中濃度推移をTable 2,それぞれの薬物動態パラメータをTable 3に示した.コントロール群の血漿中フェニトイン濃度のCmaxは4.8±1.3 µg/mL, Tmaxは3.3±1.6 hであり,その後ゆっくりと消失した(Tables 2 and 3).

Table 2. Concentration of Phenytoin after Oral Administration of Each Enteral Formula in Rats
Time after phenytoin administrationControlEnteral Formula
Mei Balance R®Mei Flow®YH®F2 Light®PG Soft EJ®
10 min0.6±0.11.1±0.6<LOD<LOD0.5±0.20.9±0.3
20 min0.7±0.20.7±0.40.4±0.00.3±0.11.3±0.41.7±0.3#
30 min0.9±0.30.3±0.10.5±0.31.0±0.42.2±0.4#2.4±0.5#
40 min1.5±0.50.7±0.10.8±0.41.8±0.53.1±0.62.9±0.6
50 min2.1±0.60.7±0.11.2±0.42.0±0.72.7±0.43.2±0.9
1 h2.3±0.71.0±0.31.5±0.41.6±0.52.9±0.23.3±0.9
1.5 h3.5±0.91.3±0.12.2±0.62.6±0.43.0±0.64.5±1.0
2 h3.5±0.70.9±0.2#2.2±0.62.2±0.12.7±0.34.9±1.1
3 h3.6±0.61.0±0.2#2.4±0.52.8±0.22.9±0.85.2±1.3
4 h3.0±0.51.6±0.72.7±0.22.8±0.63.5±1.15.8±1.0#
5 h2.4±0.61.8±0.93.8±0.62.3±0.64.2±1.25.6±0.3*
6 h2.1±0.73.0±1.14.8±0.6#2.3±0.63.3±0.74.9±0.4*
24 h0.4±0.10.2±0.10.2±0.0<LOD<LOD0.4±0.2

Data are expressed as means±S.E. * p<0.05 vs. control, Tukey–Kramer test. # p<0.05 vs. control, Student’s t-test. LOD, limit of detection (0.03 µg/mL).

Table 3. Pharmacokinetic Parameters of Phenytoin after Oral Administration of Each Enteral Formula in Rats
ParametersControlEnteral formula
Mei Balance R®Mei Flow®YH®F2 Light®PG Soft EJ®
Cmax (µg/mL)4.8±1.33.0±2.04.9±1.23.5±0.34.6±1.46.8±1.9
Tmax (h)3.3±1.66.0±0.0#4.6±2.13.5±1.83.8±2.03.9±1.7
AUC0–6 h (mg/mL)·h16.0±5.08.2±4.4††14.9±2.213.4±1.313.7±10.427.8±9.1*

Data are expressed as means±S.D. * p<0.05 vs. control, Tukey–Kramer test. p<0.05, ††p<0.01 vs. PG Soft EJ®, Tukey–Kramer test. #p<0.05 vs. control, Student’s t-test.

経腸栄養剤であるメイバランスR®とフェニトインを併用投与した場合,投与初期(2及び3 h)の血漿中フェニトイン濃度の上昇がTukey–Kramer testでは有意差は認められなかったが,Student’s t-testにおいて有意に抑制された(p<0.05, Student’s t-test, Table 2).その後血漿中濃度は徐々に上昇し,Tmaxはコントロール群と比較して有意に延長した(n=3, p<0.05, Student’s t-test, Table 3).またメイフロー®を併用投与した場合においては,Tmaxは4.6±2.1 hであり,投与6 hの血漿中濃度がコントロール群と比較して有意に上昇した(n=4, p<0.05, Student’s t-test, Tables 2 and 3).一方,PGソフトEJ®を併用投与した場合,血漿中フェニトイン濃度は投与5 hから6 hにかけてコントロール群と比較して有意に上昇した(n=5, p<0.05, Tukey–Kramer test, Table 2).また,Cmax(6.8±1.9 µg/mL)もコントロール群と比較して上昇傾向を示した.Tmaxは3.9±1.7 hであり,その後ゆっくりと消失した(Table 3).なお,YH®n=4)またはF2ライト®n=3)を併用投与した場合においては,コントロール群に対して血漿中濃度の差はほとんど認められず,それぞれ3.5±1.8 h, 3.8±2.0 hでTmaxに達した(Tables 2 and 3).更にAUC0–6 hを算出したところ,PGソフトEJ®併用投与群はコントロールやほかの経腸栄養剤(メイバランスR®,メイフロー®及びYH®)に比べ,有意に高値を示した(p<0.05, Tukey–Kramer test, Table 3).

3. フェニトインとタンパク質の混合による遊離フェニトイン率の変動(in vitro

次にフェニトインと結合する経腸栄養剤中の成分の同定を行うために,成分ごとに分けてフェニトインとの結合に対する検討を行った.タンパク質とフェニトインを混合し,遊離フェニトイン率を測定したところ,総合乳タンパク由来であるミルカMPI®で32.9±0.6%,ペプチドタンパク由来であるLE80GF-US®で27.6±1.3%,カゼインタンパク由来であるカゼインカルシウムS(-Ca)®で26.7±0.4%であった(n=3).また,ホエイタンパク由来であるラクトクリスタル®で31.0±3.3%, LACTOMIN 80-S®で42.4±2.3%, PROGEL800®で57.4±2.7%, Wheyco W80®で37.8±0.9%及び大豆タンパク由来であるウィルプロP20®で30.5±0.4%(n=3)であり,すべてのタンパク質において遊離フェニトイン率は,コントロール(水)に比べて有意に低下した(p<0.01, Tukey–Kramer test, Table 4).

Table 4. Free Phenytoin Rates for Proteins Co-administered with Phenytoin
ProteinFree phenytoin rate (%)
Control (Water)99.9±1.6
Milka MPI®32.9±0.6**
LE80GF-US®27.6±1.3**
Casein calcium S(-Ca)®26.7±0.4**
Lactocrystal®31.0±3.3**
LACTOMIN80-S®42.4±2.3**
PROGEL800®57.4±2.7**
Wheyco W80®37.8±0.9**
Willpro P20®30.5±0.4**

Data are expressed as means±S.D. ** p<0.01 vs. control, Tukey–Kramer test.

4. フェニトインと食物繊維の混合による遊離フェニトイン率の変動(in vitro

食物繊維である寒天とフェニトインを混合し,遊離フェニトイン率を測定したが,いずれの濃度においても遊離フェニトイン率がほぼ100%となり,フェニトインとの吸着が認められなかった(data not shown).次に,F2ライト®及びPGソフトEJ®のみに含まれる食物繊維であるペクチン(Table 1)について検討を行った.ペクチンでは,りんご由来及びかんきつ類由来のいずれのペクチンにおいてもすべての濃度範囲で遊離フェニトイン率は低下し(n=3),特にペクチン濃度が0.15%(w/v)以上で遊離フェニトイン率がコントロール(水)に比べて有意に低下した(p<0.01, Tukey–Kramer test, Fig. 2).

Fig. 2. Free Phenytoin Rates for Apple- or Citrus-derived Pectin Co-administered with Phenytoin

Data are presented as mean±S.D. of three independent experiments. * p<0.01 vs. 0% (w/v) of pectin (control) by Tukey–Kramer test.

5. フェニトインの吸収に及ぼす経腸栄養剤中の成分の影響(in vivo

経腸栄養剤中の成分とフェニトインをラットに併用投与した場合の血漿中濃度を測定した.各投与群におけるフェニトインの血漿中濃度推移をTable 5,それぞれの薬物動態パラメータをTable 6に示した.

Table 5. Concentration of Phenytoin after Oral Administration of Components in Enteral Formula in Rats
Time after phenytoin administrationControlProteinDietary fiber
Milk proteinWhey proteinCaseinIndigestible dextrinCarrageenanSoy fiberPectin
10 min0.6±0.11.0±1.01.6±0.3##3.4±1.2*1.2±0.31.4±0.80.4±0.11.3±0.5
20 min0.7±0.22.0±0.5#1.8±0.3#3.6±1.1**1.2±0.31.8±0.81.0±0.21.6±0.1#
30 min0.9±0.32.7±0.91.8±0.34.2±1.4*1.5±0.42.5±1.01.7±0.31.8±0.1
40 min1.5±0.52.6±0.51.9±0.34.5±1.2*1.5±0.33.5±0.81.9±0.22.3±0.4
50 min2.1±0.63.1±0.72.3±0.23.8±0.61.7±0.44.6±0.8*2.0±0.32.5±0.3
1 h2.3±0.73.3±0.62.3±0.23.8±0.92.0±0.44.7±0.82.4±0.32.7±0.6
1.5 h3.5±0.92.9±0.52.2±0.45.3±1.42.1±0.34.9±1.02.4±0.33.2±0.6
2 h3.5±0.72.8±0.72.0±0.54.6±1.12.6±0.35.2±0.52.5±0.53.8±1.3
3 h3.6±0.63.5±0.92.3±0.94.5±1.32.7±0.54.3±0.21.7±0.4#2.8±1.1
4 h3.0±0.53.9±1.02.9±0.93.5±0.93.8±0.92.8±0.41.5±0.32.2±0.7
5 h2.4±0.66.2±1.0**4.0±0.32.6±0.23.8±1.02.9±0.71.5±0.11.7±0.6
6 h2.1±0.76.1±0.6**3.5±0.52.0±0.33.2±1.02.6±0.71.9±0.41.1±0.4
24 h0.4±0.10.2±0.0<LOD0.2±0.10.3±0.1<LOD<LOD<LOD

Data are expressed as means±S.E. * p<0.05, ** p<0.01 vs. control, Tukey–Kramer test. #p<0.05, ##p<0.01 vs. control, Student’s t-test. LOD, limit of detection (0.03 µg/mL)

Table 6. Pharmacokinetic Parameters of Phenytoin after Oral Administration of Components in Enteral Formula in Rats
ParametersControlProteinDietary fiber
Milk proteinWhey proteinCaseinIndigestible dextrinCarrageenanSoy fiberPectin
Cmax (µg/mL)4.8±1.36.8±1.44.1±0.75.4±2.44.8±1.65.6±1.62.8±2.2#4.0±2.0
Tmax (h)3.3±1.65.5±0.6#5.3±1.01.2±0.53.8±1.32.0±0.72.8±0.41.6±0.8
AUC0–6 h (mg/mL)·h16.0±5.023.2±8.215.9±5.722.1±8.316.6±5.121.5±5.210.6±2.214.2±6.6

Data are expressed as means±S.D. # p<0.05 vs. control, Student’s t-test.

まず初めにタンパク質との相互作用について検討を行った.乳タンパク質をフェニトインと併用投与した場合,投与5 h及び6 hの血漿中濃度がコントロール群と比較して有意に上昇し(n=4, p<0.01, Tukey–Kramer test, Table 5),投与初期からわずかな血漿中濃度の上昇が認められた.Tmaxは5.5±0.6 hであり,Tukey–Kramer testでは有意差は認められなかったが,Student’s t-testにおいてコントロール群と比較して有意に延長した(p<0.05, Student’s t-test, Table 6).次にカゼインとの併用投与においては,投与10 minから40 minにかけて血漿中濃度が有意に上昇した(n=3, p<0.05, Tukey–Kramer test, Table 5).また,Tmaxはホエイとの併用(n=4)で5.3±1.0 h,カゼインとの併用で1.2±0.5 hであった(Table 6).

次に,食物繊維である大豆食物繊維を併用投与した場合,投与初期はコントロール群とほぼ同様の挙動を示したが,投与1.5 h以降で血漿中濃度の上昇が抑制された(n=4, Table 5).一方,カラギナンを併用投与した場合,投与初期から血漿中濃度の上昇が認められ,投与50 minに血漿中濃度が有意に上昇した(n=4, p<0.05, Tukey–Kramer test, Table 5).更に難消化性デキストリン(n=4)またはかんきつ類由来ペクチン(n=3)を併用投与した場合,血漿中濃度やTmaxにわずかな差はみられたものの,コントロールとほぼ同様の挙動を示した(Tables 5 and 6).

これら成分についてAUC0–6 hを算出したところ,有意差は認められなかったものの,コントロール群と比較して乳タンパク質,カゼイン及びカラギナン併用投与群が上昇傾向であり,大豆食物繊維併用投与群が減少傾向であった(Table 6).

考察

本研究では,フェニトインと経腸栄養剤あるいはその成分との相互作用のin vitroによる検討結果として,検討したすべての経腸栄養剤で遊離フェニトイン率が10.3±0.9–30.9±0.3%と低下したことから,経腸栄養剤とフェニトインが強く結合し,遊離フェニトイン率が低下したと推察された.これまでにわれわれは抗凝固薬であるワルファリンにおいても,経腸栄養剤と混合した場合に遊離ワルファリン率が低下する理由として経腸栄養剤に含まれるタンパク質とワルファリンが強く結合したためと報告8,9しており,ワルファリンと同様に血漿タンパク結合率が約90%と高いフェニトイン1においても,経腸栄養剤に含まれるタンパク質とフェニトインが強く結合したと考えられる.

次にin vivoによる検討として,フェニトインと経腸栄養剤をラットに同時投与した際の薬物動態パラメータを比較したところ,メイバランスR®において,フェニトインとの併用によりコントロールに比べTmaxの有意な延長が認められた.これは経腸栄養剤との併用投与によって,これらに含まれる成分とフェニトインが強く結合し,分子量が大きくなり細胞膜を透過できず,組織への分布が遅れ,23,24結果的にフェニトインの吸収が遅延したためと考えられる.この結果はin vitroでの検討において,経腸栄養剤とフェニトインを混合すると両者が結合し,遊離フェニトイン率が低下した結果と一致する.また,フェニトインとPGソフトEJ®によりフェニトインのAUC0–6 hが有意に高値を示した.フェニトインは,主にCYP2C9及びCYP2C19によって5-(p-ヒドロキシフェニル)-5-フェニルヒダントインに代謝される.25検討した経腸栄養剤には脂質として不飽和脂肪酸が含まれており,不飽和脂肪酸はCYP2C9及びCYP2C19を阻害すると報告26されている.含有されている成分の詳細は公表されていないが,PGソフトEJ®に含まれるエイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸はF2ライト®の2倍であることから,CYP2C9及びCYP2C19阻害作用がより強く発揮されたため,フェニトインの代謝が阻害されてAUC0–6 hが上昇したのではないかと推察される.また,大豆に含まれるゲニステイン,ダイゼイン及び大豆抽出物はCYP2C9阻害作用,27ゲニステインはCYP2C19阻害作用を有することが知られており,27 CYP2C9で代謝されるセレコキシブ及びゲニステインをラットに同時投与すると,AUCがセレコキシブ単独の2.7倍になることが報告27されている.検討した経腸栄養剤のうち,メイバランス®,F2ライト®及びPGソフトEJ®には大豆タンパク質が含まれており,タンパク質の量がPGソフトEJ®は最も多い.タンパク質の割合が公表されていないので詳細は不明であるが,PGソフトEJ®に含まれる大豆タンパク質もフェニトインのAUC0–6 h上昇に関与していると考えられる.これまでに経腸栄養剤との併用によってフェニトインの血漿中濃度が低下する症例が数多く報告されているが,2,46 PGソフトEJ®には血漿中フェニトイン濃度を上昇させる成分が含まれており,本研究において併用により血漿中濃度が低下するだけではなく,逆に血漿中濃度が上昇する経腸栄養剤も存在することが初めて明らかになった.さらに,経腸栄養剤の種類によってフェニトインの吸収に差が生じることもわかった.

更にフェニトインと結合する成分についてin vitroで検討を行い,フェニトインは血漿に含まれるタンパク質と結合率が高い1ことから,タンパク質と混合したところ,検討したすべてのタンパク質は遊離フェニトイン率が26.7±0.4–57.4±2.7%と低下した.しかしながら,フェニトインと経腸栄養剤を混合した際の遊離フェニトイン率(10.3±0.9–30.9±0.3%)に匹敵するほど,著しく遊離フェニトイン率が低下したタンパク質は認められなかった.次に,食物繊維のペクチンとフェニトインを混合すると,濃度0.15%(w/v)以上で遊離フェニトイン率が約15%と著しく低下した.食物繊維はミネラルなどの成分に吸着し,鉄やカルシウム等のミネラルのバイオアベイラビリティを低下させ,11この作用はペクチンがもつウロン酸基がミネラルの吸収に影響を与えるため12と報告されている.一方,フェニトインは経腸栄養剤に含まれるタンパク質であるホエイ,カゼインあるいはカゼインナトリウムとin vitroにおいて結合することが報告されている.28,29さらに,フェニトインはアルミニウム,銅あるいはカルシウムなどのミネラルとキレートを形成して,消化管吸収を低下させる可能性が報告されている.30本研究において,ペクチンによって遊離フェニトイン率が著しく低下することがわかり,その理由としてフェニトインがペクチンのウロン酸基に反応する可能性が考えられた.また,ペクチンが含まれている経腸栄養剤はF2ライト®及びPGソフトEJ®であり,これらの経腸栄養剤をフェニトインと混合した際の遊離フェニトイン率は,ほかの検討した経腸栄養剤と比較して著しく低下したため,ペクチンがF2ライト®及びPGソフトEJ®の遊離フェニトイン率に影響を与えている可能性が推察された.

次に経腸栄養剤の成分に対して,ラットにおける吸収効果を検討したところ,乳タンパク質において,Tmaxが有意に延長したことから,消化管からの吸収遅延が生じたと考えられる.これは,乳タンパク質とフェニトインが強く結合して分子量が大きくなり,消化管においてタンパク質が消化されてフェニトインとして吸収されたと考えられ,フェニトインの吸収が遅延したため23,24と考えられる.

さらに,食物繊維であるペクチンはin vitroによる検討において,0.15%(w/v)以上で遊離フェニトイン率が著しく低下したため,実際の体内動態にも影響を与えると予想されたが,フェニトインと併用投与しても血漿中濃度に大きな変化は認められなかった.このin vitro及びin vivoの結果が異なったことについては,ペクチンは中性付近と比較して酸性付近の方が薬物との吸着力が弱まること11や,結腸内の細菌により発酵され,それにより短鎖脂肪酸が産生される31可能性が報告されている.フェニトインは酸性薬物であるため,液性が酸性に傾くことでペクチンとの吸着が弱まり,腸管で直ちにフェニトインとして吸収されるため,結果的に実際の体内動態には大きな影響を与えなかったと考えられた.また,抗がん作用をもつ5, 6-ジメチルキサンテノン-4-酢酸と血漿タンパク結合にサリドマイドは影響を与えないが,in vivoによる検討では,両剤の併用によりAUCが上昇し,半減期が延長したことから,in vitroデータを用いても相互作用の影響を予測することは難しいと報告32されている.

以上の経腸栄養剤及び経腸栄養剤の成分の結果をまとめて考察すると,メイバランスR®はフェニトインとの併用投与によってTmaxが有意に延長し,メイフロー®は投与6 hの血中濃度が有意に増加した.これはメイバランスR®やメイフロー®に含まれる乳タンパク質において,Tmaxの有意な延長が認められたことから,乳タンパク質によって吸収遅延が起きたと考えられる.しかしながら,同様の乳タンパク質を含むYH®においては吸収遅延がみられなかったことから,乳タンパク質だけではなくほかの多数の含有物質が複雑に関与している可能性が考えられる.

次に,PGソフトEJ ®in vivoによる検討においてフェニトインのAUC0–6 hを有意に上昇させることが初めて明らかとなった.そこで,PGソフトEJ ®に含まれる成分であるホエイ及びペクチンについてin vivoによる検討を行ったが,AUC0–6 hは上昇しなかった.フェニトインは酸性薬物であるため,pHの上昇に伴って水溶性が増すと考えられる.しかしながら,これまでの報告33では炭水化物のpHがタンパク質よりも低かったにもかかわらず,炭水化物の方がタンパク質よりも吸収が増大したことから,pHの違いがフェニトインの吸収に関与しないと推測される.フェニトインの吸収は食品中の炭水化物によって増大する可能性が報告されている33ことから,AUC0–6 hの上昇には炭水化物が関与していることが推察されるが,その機序は不明である.33また別の報告34で,中国のイチイとして知られているTaxus chinensisから単離されたパクリタキセルとTaxus chinensisto抽出物の経口投与による薬物動態を比較したところ,パクリタキセルは抽出物よりも血漿中濃度が低く,Taxus chinensisto抽出物が有する相乗効果がパクリタキセルの作用を強化する可能性が示された.よって,PGソフトEJ®に含まれるほかの成分である大豆タンパク質,脂質,炭水化物あるいは寒天などがAUC0–6 hを上昇させた,あるいは単独では効果を発揮しないが様々な成分が組み合わさった相乗効果によってAUC0–6 hを上昇させる可能性が考えられる.

以上より,フェニトインは経腸栄養剤と混合すると遊離フェニトイン率が低下し,経腸栄養剤の種類によってフェニトインの吸収が異なることがわかった.また,in vitro及びin vivoの結果が異なり,in vivoが変動する要因として,乳タンパク質はフェニトインの吸収を遅延させ,乳タンパク質,カゼイン及びカラギナンはAUC0–6 hを上昇させることがわかった.そのため,これらが含有されているメイバランスR®及びメイフロー®は,これらの最終的な作用として,フェニトインの吸収に対し抑制的に働くことがわかった.その一方で,PGソフトEJ®のように血漿中フェニトイン濃度を上昇させる経腸栄養剤も存在することが初めて明らかとなった.経腸栄養剤は通常の食事よりも吸収と消化が容易な加工品であるため,薬物の吸収に多大な影響を与えることが報告2されている.そのため,フェニトインと経腸栄養剤を併用する際には,血漿中フェニトイン濃度を低下させる経腸栄養剤だけでなく,上昇させる経腸栄養剤も存在することから,血中濃度をモニタリングし,コントロールすることが非常に重要と考える.

謝辞

本研究を遂行するにあたり,実験の補助をして下さった新潟薬科大学薬学部薬品分析化学研究室の小平朱那さんに謝意を表します.

利益相反

開示すべき利益相反はない.

Supplementary Materials

この論文のオンラインにSupplementary materials(電子付録)を含んでいる.

REFERENCES
 
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