山野研究紀要
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<原著>Shakespeareの物語詩 : The Rape of Lucrece
近内 トク子
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1994 年 2 巻 1 号 p. 41-51

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抄録
ShakespeareはSouthampton伯にVenus and Adonisを献呈する際,もし気に入っていただけたら,更に価値ある作品を献呈すると約束した。彼は翌年,伯爵に二作目の物語詩The Rape of Lucreceを献呈して,約束を果した。この作品は,現代の批評家からは,興味ある失敗作と考えられている。しかしこの物語詩は,当時の人々にはかなり人気のあった作品で,1655年までに,9版を重ねた。この作品は,大きく二つの部分に分れる。Lucreceへ向けられたTarquinの情欲を描く前半部分と,凌辱されたLucreceの嘆きと彼女の自殺を描く後半部分である。この作品は,1590代に人気のあった「嘆きの詩」の伝統を受け継いだものである。従って作品の主眼はLucreceの苦境と悲嘆の描写にある。前半の嘆きでは,彼女が夜,機会,時に向かって非難の言葉を向ける。後半は彼女の心情がトロイのエピソードによって語られる。特にトロイの人々を騙したSinonについてはTarquinと二重写しに語られる。
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© 1994 学校法人山野学苑 山野美容芸術短期大学
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