2017 年 13 巻 4 号 p. 325-331
エネルギーキャリアとしての水素利活用は、有力な地球温暖化対策の一つとして諸外国で導入が進められつつあるが、水素エネルギーの利活用にあたっては、利用時の温室効果ガス排出量削減効果のみならず、水素製造から利用までを通じた一連のプロセスにおいて、削減効果を有することの確認が求められる。そのため、環境省では、製品又はサービスのライフサイクルを通じた環境への影響を評価する手法であるLCA (Life Cycle Assessment : ライフサイクルアセスメント) が必要と考え、今後、水素エネルギーの製造事業者、販売事業者又は利用者等が日本国内において自らの水素エネルギー事業を評価する際に活用することを目的とし、LCAガイドラインを策定した。同時に算定の負荷低減及び算定の誤り軽減のため、積み上げ型及び産業連関型の2種類のLCIデータベースを搭載したLCA計算ツールを開発し、そのマニュアル及びサンプル集も作成し、環境省ホームページにて公開した。