抄録
太平洋戦争が終り、新しい日本国が誕生してから既に60年を閲そうとしている。その間経済の面での日本の発展は奇跡の一つに数えられているが、一方学校教育という面から見ると昭和20年代の貧しかった時代の教育より、豊かになった現在の方により多くの問題がある。荒れる学校や、学級崩壊、犯罪の低年齢化、さらには無為に日を送る若者が増加するなど、実に多くの問題が明らかになっている。そのようなときに過去の教育について考えることも必要で、そのためのデータが必要になることもあろう。本文はそのための一助として、昭和10年代半ば頃の教育に関した資料を探し、特に女子の教育制度やその内容などのデータを集めてみた。これらを基にしてどのような課題や結論が引き出せるかは今後の問題である。このささやかな資料が何かのお役に立てば幸いである。