抄録
本研究の目的は,クリティカルケア領域での看護師の家族看護の実態を明らかにし,その構造モデルを作成することである. 方法は,クリティカルケア看護を専門とする看護師498名を対象に,質問紙調査を実施した.質問項目はCCFAP(Critical Care Family Assistance Program)とCNS-FACE(Coping & Needs Scale for Family Assessment in Critical and Emergency care settings)を基に,家族看護実践をあらわす7カテゴリー【環境調整】【チーム調整】【情緒支援】【情報提供】【意思決定支援】【患者ケアへの参加】【信頼関係構築】42項目,5段階リッカートスケールを用いた.各平均値は【信頼関係構築】【情報提供】【情緒支援】【環境調整】【患者ケアへの参加】【意思決定支援】【チーム調整】の順で高かった. 7カテゴリーを観測変数とした共分散構造分析では,3つの潜在変数が見いだされた.1つは【チーム調整】【環境調整】で構成される「周囲の環境調整」,2つめは【情報提供】【情緒支援】で構成される「情報と情緒支援の提供」,3つめは【患者ケアへの参加】【信頼関係構築】【意思決定支援】で構成される「意思の尊重と行動支援」である.「周囲の環境調整」は「情報提供と情緒支援」に0.76(標準化係数),「情報提供と情緒支援」は「意思の尊重と行動支援」に0.92の高い影響を与えていた.モデルは,CFI=0.999,GFI=0.992,AGFI=0.987,RMSEA=0.099であり,適合性が確保できた.クリティカルケア領域での家族看護の構造は,家族の「周囲の環境調整」を行い,次に,「情報と情緒支援の提供」を,そして,家族の代理意思決定を行動に移せるよう「意思の尊重と行動支援」を行うというモデルで説明できた.