2022 年 3 巻 J2 号 p. 134-144
本研究は,非破壊試験や構造ヘルスモニタリングによるRC部材の地震時損傷評価を目的として,加速度センサを用いた振動測定と機械学習による異常検知の適用性を検討した.実験による検討では,RCはり試験体およびRC柱試験体の載荷試験において振動測定を行い,載荷後の測定データの異常度を計算した.その結果,提案手法はRCはりのせん断ひび割れや曲げひび割れを検知し,多点測定によって損傷箇所と損傷程度を可視化できることを示した.さらにRC柱の正負交番載荷試験では,塑性ヒンジ部から離れた位置にセンサを設置した場合でも,モニタリングデータの異常度を計算することにより,塑性ヒンジ部におけるかぶりコンクリートの剥落等の重大な損傷を検知できる可能性が示された.