抄録
将来選択する専門領域に関わらず,プライマリ・ケアや地域医療に一定の理解・能力を有する医師を養成することが必要になってきた.医学科5年生を対象に,山口大学医学部近辺の各診療科同門の診療所を中心にした診療参加型地域医療臨床実習を,今年度より導入した.その実習概略と,実習後の学生アンケートの一部結果を若干の文献的考察と共に報告した.アンケート結果からは,学生にとって総じて満足度の高い地域医療実習となった.また我々が期待した大学病院等では経験できない新しい実習内容を経験した学生も74%に上った.また,学生,診療所指導医,大学のそれぞれの立場からの問題点が挙げられた.これらの問題点を改善しながら,より地域に密着した地域医療の実習体制を確立する必要性があると思われた.