2016 年 65 巻 2 号 p. 95-100
背 景:原発性肺癌の組織型でadenosquamous carcinoma(Adsq)とlarge cell carcinoma with neuroendocrine morphology(LCCNM)はともに頻度が少なく,それらを異時性に合併した症例の報告は認められない.
症 例:80歳の男性.65歳時に喉頭癌で,喉頭全摘術が行われた.喉頭癌の術前CTで右肺中葉と下葉に結節を認められていたため,肺部分切除が行われたが,結果は良性結節であった.その7年後,右肺上葉と中葉と下葉のそれぞれに計3個の肺結節が認められ,喉頭癌の転移が疑われ,肺部分切除が行われたが,すべてがLCCNMであり,LCCNMの他肺葉転移の可能性が高いと診断された.さらに3年後,右肺上葉に再び結節が認められたため,肺部分切除が行われたが,今度はAdsqであった.その5年後に右肺下葉に結節影が認められ,4度目の手術が行われた.病理結果はAdsqであった.
結 論:LCCNMとAdsqからなる稀な異時性多発肺癌を複数回の胸腔鏡下手術(VATS)を含む集学的治療により長期生存が得られた.