山口医学
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原著
意思伝達能力の低下した高齢者の意思をくみ取り看護援助を展開するための項目の妥当性検証
礒村 由美堤 雅恵永田 千鶴
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2024 年 73 巻 2 号 p. 45-56

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抄録

 本研究は,『意思伝達能力の低下した高齢者の意思をくみ取り看護援助を展開するための項目』の妥当性を検証することを目的に,老人看護専門看護師139名を対象に,4件法を用いた質問紙調査を実施 し,Lynnの内容妥当性の定量化の方法を参考に分析した.その結果,回答率は34.1%で,Item‑CVIが0.78以上となった25項目の妥当性が確認された. CVIが.078に満たなかったのは,[慣れの自覚],[責任と愛情],[呼吸状態・痰の量の変化],[発熱・発汗・冷感の有無],[循環動態の変化],[皮膚状態の変化],[排泄状態の変化]の7項目であった.

 妥当性が得られなかった項目について,その理由を記述回答の内容から検討し,[慣れの自覚]を[粗雑なケアの自覚と回避]に,[責任と愛情]を[責任と関心]に修正した.また,<生体からのサインの感知>の5項目の妥当性が得られなかったことから,高齢者の身体的反応や変化をどこまで「意思」として捉えることができるのか,臨床看護師における「意思」のとらえ方を再調査し,共通認識のもてる内容として改めて定義する必要があると考えられた.

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© 2024 山口大学医学会
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