山口医学
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症例報告
傍ストーマヘルニア再発に対して腹腔鏡下にSugarbaker法によるヘルニア根治術を施行した1例
河村 大智平田 健岩本 圭亮
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2024 年 73 巻 4 号 p. 163-169

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抄録

 傍ストーマヘルニアは人工肛門造設術後の主な合併症の一つであり,人工肛門周囲の膨隆や疼痛により生活の質の低下をきたす.手術に際しては腸管の通過部を確保し,筋膜は完全に閉鎖せずヘルニア門の縫縮にとどめるため再発率が高いとされている.近年,再発防止を目的として,補填材料を用いた腹腔鏡下手術の報告例が増えてきている.この度,人工肛門部の慢性疼痛を繰り返した傍ストーマヘルニア再発症例に対し,腹腔鏡下にSugarbaker法を施行し有効であった症例を経験したので報告する.症例は79歳の男性で,主訴は人工肛門周囲の痛みと腫脹であった.68歳時に直腸癌に対してハルトマン手術を施行され,73歳時に傍ストーマヘルニアに対して,他院で根治術を施行された.2020年5月,2日間排便なく,人工肛門周囲に痛みと腫脹があり近医を受診した.腹部レントゲン写真で腸閉塞を疑われ,精査加療目的に当科を受診された.左下腹部にS状結腸を用いた単孔式人工肛門が造設されており,周囲に著明な膨隆が認められた.人工肛門の1時から6時方向がヘルニア門となる傍ストーマヘルニア再発と診断された.保存的治療で軽快し退院となったが,同部位に一致して圧痛と慢性的な疼痛があるため手術目的に入院した.再々発予防を目的に腹腔鏡下にSugarbaker法による根治術を施行した.S状結腸は経腹的に挙上されており,筋膜貫通部の外側に約5cmのヘルニア門が認められた.癒着剥離後,挙上結腸を筋膜欠損部の外側へ移動させ,その内側を縫縮し,15.2×20.3cmの癒着防止剤付きメッシュシートでヘルニア門全体を被覆しつつ,挙上腸管の後腹膜化を行った.術後経過は良好で,術後9日目に退院した.術後,慢性疼痛やストーマケアの困難さは改善し,術後3年経過しているが再発は認められていない.

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© 2024 山口大学医学会
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