抄録
目的と方法:ドック受診者について,メタボリックシンドロームの基準としての腹囲を測定し,糖・脂質代謝や血圧の測定値,異常の頻度を調べ,動脈硬化性疾患リスクの指標としての腹囲について検討した.
結果:Body Mass Indexと腹囲は正比例し,代謝異常や高血圧の頻度やリスク因子の保有からみた腹囲は女性では80cm,男性で85cmが相当し,これ以上の腹囲では代謝・血圧異常の頻度が増え,腹囲に男女差があった.更に体格を考慮し,腹囲・身長比でみると男女とも腹囲に関係なく0.5以上でリスク因子が増えた.
結論:女性では腹囲は男性より低値で動脈硬化性疾患のリスクが高くなり,内臓脂肪以外の要素が代謝・血圧異常に関与している可能性が示唆された.また,単なる腹囲でなく体格を考慮した腹囲・身長比が有用であり,メタボリックシンドロームのスクリーニングとしては腹囲・身長比0.5以上が適当である.