抄録
本研究では,左冠動脈主幹部(LM)病変に対する2ステント治療の最適化を目指し,心血管疾患治療における新たなアプローチを検討した.LM病変は生命予後に直結する重大な病態であり,その治療には複雑な手技が求められる.本研究では,心運動を模したLM分岐部病変モデルを新たに開発し,3D-OCTガイドと最適なステント選択による手技の標準化を試みた.このヒト病態模擬試験システムは,臨床試験の代替手段として,治療戦略の安全性と性能を前臨床で評価する新たな方法論を提供するものである.その結果,2ステント治療手技の成熟度が低い現状において,最大拡張径を有するステントプラットフォームの使用や,3D-OCTなどの先進的なイメージング技術の導入が治療の成功率を高める要因となる可能性が示唆された.この医工学モデルを用いた治療戦略の安全性・有効性評価は,今後の医療技術の発展において重要な役割を果たすと考えられ,患者に対する治療の質が向上し,心血管疾患の予後改善に寄与することが期待される.