山口医学
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急性期病院における病棟看護師の退院支援に関する文献検討
神田 真那大河内 彩子金森 弓枝
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2025 年 74 巻 3 号 p. 141-150

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抄録

 近年,我が国では,高齢化や在院日数の短縮等を背景に,急性期病院における退院支援の充実が求められている.また,診療報酬の改訂等と連動し,院内の退院支援に関する看護職の役割は細分化されているが,日々の看護ケアの中で行われる病棟看護師による退院支援がその中心的役割を果たしていることは依然として変わりない.そこで,本研究の目的は,急性期病院の病棟看護師が退院支援において実践する内容を文献検討から明らかにすることである.

 医学中央雑誌Web版で,「退院支援or退院調整and病棟看護師and急性期病院」をキーワードに,2015~2024年の文献について,会議録を除き検索したところ,48件が該当した.タイトル,抄録,本文を段階的に精査し,退院支援に関する看護実践が記述されていないものや,退院支援の内容が抽象的で明確でないものを除外した結果,8件が分析対象となった.8件のうち,退院支援の看護実践に関する記述を抜き出してコード化し,類似性・相違性で分類してカテゴリを作成した.著者の意図や著作権を踏まえ,適切に引用するよう倫理的に配慮した.

 急性期病院の病棟看護師の退院支援の内容は,191のデータ,55のコード,19のサブカテゴリによる【チームで患者・家族に関する共通理解に取り組んでいる】,【院内外の多職種と連携する】,【看護過程の展開は常に患者の退院や退院後の生活を見据えて行う】,【患者・家族の意思に寄り添うことを重視する】,【患者・家族の病気に関する情報の理解と受容を支える働きかけをする】,【患者・家族の自己管理能力を向上できるような関わりをする】,【常に支援の質の向上を心掛けた言動をしている】という,7つのカテゴリで形成された.

 以上は,急性期病院という特性の中で短い在院日数にあっても,医療の提供と管理を仕事とし,日々のケア中で退院支援を行う病棟看護師だからこそ,患者との近い関係性において実践できる退院支援であることを示唆していた.

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