横光利一研究
Online ISSN : 2424-2462
Print ISSN : 1348-1460
特集「〈翻訳〉の季節─横光利一と同時代文学」
中国語に訳された横光利一文学
謝 惠貞
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 2021 巻 19 号 p. 58-78

詳細
抄録

橫光利一は一九二○~三○年代日本新感覚派の旗手としてだけでなく、台湾、中国、韓国の文学界を風靡した東アジアのモダニストとしても名を残した。その背景には、日本の植民地領有による日本語の普及と、翻訳の流通が介在している。小稿は、中国語に訳された横光文学を調査し、「作品別の翻訳状況と回数」を分析し、最も翻訳された作品は、「蝿」、「ナポレオンと田虫」、「春は馬車に乗って」、「日輪」、「イタリア行」、「古い筆」、「花園の思想」、「母の茶」、「感想と風景」だと分かった。最後に、その同時代評を通して、その横光認識の特徴を解析した。

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top