日本腰痛学会雑誌
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当院における『腰痛クリニック』の試み
矢部 嘉浩瀬良 敬祐池田 章子篠原 晶子
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2005 年 11 巻 1 号 p. 173-178

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抄録
われわれが実施している個別性・継続性・チームアプローチを重視した『腰痛クリニック』の活動内容・治療成績について報告した.対象は最終評価が可能であった73例であり,臨床症状の改善度をVAS(visual analogue scale),JOA score(29点満点)で評価した.腰痛に対するVASは初診時4.6から最終評価時(平均17週後)2.6と改善していた.またJOA scoreは初診時21.5から最終評価時23.3と改善し,項目別では自覚症状の腰痛が1.4から1.7に,日常生活動作は9.5から10.6に改善していた.疾患別では腰椎椎間板障害・椎間板ヘルニアにおいて有意に改善していた.今回の結果より,クリニックにおける個別対応と継続したチームアプローチは腰痛症の患者に対して効果があり,またクリニックを通して患者自身が腰痛に対する理解を深め積極的に自己管理の習得に臨むことが,再発予防や症状悪化の防止につながると思われた.
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© 2005 日本腰痛学会
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