日本腰痛学会雑誌
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馬尾腫瘍の症状と手術成績
田中 直末綱 太望月 光邦田中 利弘齋藤 啓田中 滋之
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キーワード: 馬尾腫瘍, 症状, 手術成績
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2007 年 13 巻 1 号 p. 180-185

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抄録
馬尾腫瘍に特徴的な症状・所見およびその手術的治療による症状の改善効果について検討した.対象は,馬尾腫瘍18例(男性9例,女性9例).組織型はneurinomaが最も多く,発生高位は,第4~第5腰椎レベルが最も多かった.初発症状の出現から診断までの期間は,平均25.2カ月であった.馬尾腫瘍に特徴的な症状は,根性疼痛が50%にみられたことと疼痛の出現に変動があることであった.67%で疼痛の出現に変動があり,そのうち75%で体動による増強がみられた.内訳は立位・歩行動作が67%,咳・くしゃみが33%であった.特徴的な神経学的所見はなかった.手術成績は良好で,術後に加療を要するほどではないが,しびれの訴えが多かった.馬尾腫瘍の治療においてはしびれの残存が課題である.馬尾腫瘍を早期に診断し,不可逆的な神経症状を残す前に治療することが重要である.
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© 2007 日本腰痛学会
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