日本腰痛学会雑誌
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内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術におけるVisual Analogue Scaleを用いた腰下肢痛の評価
下村 隆敏土井田 稔西田 康太郎前野 耕一郎
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2007 年 13 巻 1 号 p. 175-179

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抄録
腰椎椎間板ヘルニア(LDH)に対する低侵襲手術として後方進入内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術(MED)が普及しているが,MEDの持つ有効性を評価する尺度については十分に検討されていない.この研究の目的はその尺度としてVisual Analog Scale (VAS)を使用し,LDHの主症状である腰下肢痛および下肢しびれ感を術後早期より前向きに調査することである.調査対象は2004年7月~2006年7月までにMEDを施行したLDHの20例(男性10例,女性10例)とした.年齢は17~56歳で平均34.1歳であった.腰痛のVAS評価は術前5.8±1.2から術後3日目には2.1±2.0へと有意な改善を認めた.下肢痛のVAS評価は術翌日に7.0±1.5から0.2±0.3へと著明な改善を示した.下肢のしびれ感は術後早期において明らかな改善を認めなかった.以上よりVAS評価はMEDの持つ有効性を評価する尺度として有用であると考えられた.
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© 2007 日本腰痛学会
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