抄録
腰痛患者に対する有効な運動療法を行うことを目的に,初診時の立位での運動時痛別(前屈時痛群・後屈時痛群・前後屈時痛群・運動時痛なし群)に分類し,2カ月間での臨床症状(VAS・JOAのADLスコア)の変化と,マッケンジー法に基づく運動指導の効果について比較検討した.結果は,前後屈時痛群においてVAS・ADLスコアの改善が有意にみられた.運動療法は,VASの変化においては1カ月後から改善がみられるが,ADLの改善には2カ月間でも変化は少なかった.また,運動指導では伸展運動でVAS・ADLスコアの有意な改善がみられた.今回の結果より,腰痛患者の経過観察は2カ月以上が必要であることが示唆された.