日本腰痛学会雑誌
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特別企画 腰部脊柱管狭窄症の病態
脊髄造影における腰部脊柱管狭窄部位と神経学的所見の障害高位に関する検討
山内 かづ代山下 正臣古志 貴和鈴木 宗貴江口 和折田 純久高橋 和久大鳥 精司
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2008 年 14 巻 1 号 p. 34-39

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抄録
腰部脊柱管狭窄症では,硬膜管の圧排が強い症例ほど神経学的症状が重症化する傾向にあり,神経学的所見と画像上の狭窄部位の高位が一致しない症例が存在する.腰部硬膜管内は馬尾であり,馬尾は神経根の集まりであるという解剖学的構造に一因が考えられる.脊髄造影にてtotal blockまたはsubtotal blockを呈した高度狭窄例に限定し,腰部脊柱管高度狭窄例において,神経学的所見と画像所見の高位の相違をretrospectiveに比較検討した.手術施行した腰部脊柱管狭窄症例中,脊髄造影像でtotal blockまたはsubtotal blockを呈した高度狭窄例38例を対象とした.神経学的所見は,疼痛·感覚障害,筋力低下について,画像所見は脊髄造影像における最狭窄部位を画像障害高位と評価し,神経学的障害高位と画像障害高位の相違を比較検討した.神経学的所見と脊髄造影所見の高位不一致例は13例34.2%,その詳細はL3/4狭窄によるL5障害が最多であり,臨床上重要と考えられた.
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© 2008 日本腰痛学会
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