日本腰痛学会雑誌
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[特別企画]『腰痛研究のエビデンス・評価と臨床的展望』
慢性腰痛症者に対する筋収縮後ストレッチングの有効性について
伊藤 俊一久保田 健太隈元 庸夫森山 秀樹
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2009 年 15 巻 1 号 p. 45-51

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抄録
慢性腰痛に対する筋ストレッチングとセルフエクササイズの効果に関して検討した.
研究デザインは無作為化対照試験とし,外来受診からの治療期間を最大3カ月間として,コントロール群と,SLRと体幹筋強化を行ったエクササイズ1(E1)群,SLRと体幹筋強化とさらに腰背部ストレッチング加えたエクササイズ2(E2)群として,3カ月後,6カ月各群の痛みと身体機能変化と健康関連QOLをご検討した.
結果,E2群では痛みおよび身体機能は3カ月以内の改善を認め,E1群も6カ月では同様の結果を示した.痛みの軽減と最も関連が高かった項目は,体幹の柔軟性と伸展筋力であった.
以上の結果,慢性腰痛にけるセルフエクササイズによる体幹伸展筋力強化と柔軟性の改善を優先しての外来でのフォローアップは,疼痛および身体機能改善と患者満足度の改善により効果的と考えられた.
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© 2009 日本腰痛学会
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