日本腰痛学会雑誌
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〔投稿論文〕
腰部脊柱管狭窄症に対する神経根ブロック
菅田 吉昭今井 健石井 秀典小西 明角南 義文
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2002 年 8 巻 1 号 p. 131-134

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抄録
腰部脊柱管狭窄症に対し神経根ブロックを施行し,その効果および予後に関する因子について検討した.入院加療を行った腰部脊柱管狭窄症114例中,神経根ブロックを施行した46例(男23例,女23例)を対象とした.入院時JOA scoreを29点満点で評価し,脊髄造影所見,外側陥凹前後径について検討した.また,側弯例については,症状側が凸側か凹側について比較検討した.入院時JOA scoreは,予後良好群は平均17.2点,予後不良群は平均13.6点で両群間に有意差を認めた(P<0.01).外側陥凹前後径は,予後良好群は平均0.516 cm,予後不良群は平均0.486 cmで両群間に有意差を認めた(P<0.01).側弯については,凹側の予後が不良となる傾向がみられた.ブロック効果のない症例の予後は不良であった.脊髄造影で砂時計型以上の狭窄を有する症例は予後不良となる傾向がみられ,JOA scoreでは15点,外側陥凹前後径は0.500 cmが予後の目安となると考えられた.
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© 2002 日本腰痛学会
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