日本腰痛研究会雑誌
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自動車製造工場における腰痛検診について
古江 幸博肱岡 昭彦
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1997 年 3 巻 1 号 p. 8-12

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抄録
自動車工場に勤務し, 「重量物取り扱い作業」「フォークリフト作業」「車両運転作業」を行う288名を対象に, 腰痛検診を施行した.アンケートによる1次検診では, 142名 (49.3%) に急性腰痛の既往があり, 検診時に腰痛があるものは73名 (25.3%) であった.各作業間の発生件数に有意差はなかった.2次検診では, 急性腰痛の頻度に関わらず, 腰痛の持続しているものでは, 運動時痛, 圧痛, 神経所見の陽性率が高かった.今回の結果から, 急性腰痛の既往があるものに対しては, 腰痛体操等を含めた腰痛予防教育を頻回に行う必要があり, 腰痛が持続するものに対しては, その病態を把握し, 最適な治療を勧める必要があると考えられた.腰痛検診は, “illhealth”を早期に発見し, 健康管理を行っていくうえで, 有意義な手段であると考える.
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