抄録
われわれは若年者の腰椎分離症に対してsegmental pedicle screw wire fixation(PSW法)を7例に行い, wire破損を1例, 偽関節を1例に認めた.PSW法は固定力が振れに対してやや弱い点および外固定期間が長くなる欠点があった.そこで, それらの欠点を補うため, pedicle screwとrodを用いた後方固定を行い, 分離部はPSW法と同様に固定する改良法を考案した.今回, PSW法7例の成績と2例に行った改良法の手術手技と成績について報告した.本改良法の利点は強固な固定で一度椎間のSegmentalな動きを止めるが, 骨癒合が得られ, 抜釘後再びSegmentalな動きを回復できる点である.改良法で行った2例とも良好な骨癒合が獲得された.外固定も短期間で, 慎重になる必要もなく, 術後2日目からの歩行も可能であった.以上より, 長期の外固定を維持しにくい若年者の腰椎分離症に対し, われわれの改良法はPSW法に代わる方法と考える.