日本腰痛研究会雑誌
Online ISSN : 1884-2186
Print ISSN : 1341-7355
ISSN-L : 1341-7355
脊椎圧迫骨折に対するspinal block
高山 螢伊藤 博志岩間 徹木下 朋雄木下 知子藤森 信広
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 5 巻 1 号 p. 73-76

詳細
抄録
神経損傷を伴わない脊椎圧迫骨折11例に対しspinal blockを行った.使用薬剤は1%塩酸メピバカインまたは1%リドカイン3mlに, リン酸デキサメタゾンナトリウム注射液1.9~3.8mgを併用し, 高齢者には適宜減量した.ブロック施行後, 3時間は骨盤低位約45度で安静とした.ブロック翌日には体幹ギプス固定を行い全例が歩行可能となった.痛みの評価にはNRS5点法を用い, ブロック前後のペインスコアより改善率を求めた.spinal block後48時間における改善率は65%で施行前ペインスコア4.8点のものがいずれも1~2点となり, 満足度が高い方法である.全例にMRIを施行したが破裂骨折は1例もなかった.平均入院期間は12日間で, 受傷後平均9カ月間を観察したが, 腰背痛は, 著明に改善されていた.合併症は軽度の頭痛が1例以外重篤なものはなかった.急性期の圧迫骨折に対する速効的かつ強力な除痛法として試みられてよいと考えられる.
著者関連情報
© 日本腰痛学会
前の記事
feedback
Top