日本養豚研究会誌
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自動給餌器の一口当り飼育頭数が肥育豚の発育等に及ぼす影響について
上山 謙一丸山 正明
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1973 年 10 巻 2 号 p. 96-101

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抄録

肥育豚に対する飼料給与法の1つとして自動給餌器による自由給餌において, 給餌器を有効に利用するため給餌器の1口当りの飼育頭数を1頭, 2頭および2.5頭とした場合の豚の発育, 飼料の利用性, 飼料の採食状況等について試験したが, その結果は次のとおりであった。
1, 体重50kgまでの肥育前期においては給餌器1口当りの飼育頭数は2頭, 2.5頭より1頭が発育がすぐれ, 所要日数も短かく, 1日平均増体重も大きく, かつ飼料要求率も小さくなる傾向がみられたが, 肥育後期においてはこの傾向は少なくなり, 肥育全期間でみれば, 給餌器1口当りの飼育頭数は1頭も2頭. 2.5頭も余り発育ならびに飼料要求率には影響がみられなかった。またと体については全く差はみられなかった。
2, 飼料の採食状況は1頭当り1日の採食回数は最少5回, 最多39回, 1回の採食時間は最短15秒, 最長49分1日の採食時間の合計は最短55分, 最長4時間43分であった。1頭当りの豚房床面績に差がなければ, 自動給餌器1口当りの飼育頭数は2.5頭までは飼育可能なことが判った。

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