日本養豚研究会誌
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豚精液の低温保存に関する研究
IV. 注入前処理の簡易化
糟谷 泰河部 和雄
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1976 年 13 巻 3 号 p. 134-137

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抄録

注入前処理を簡易化するため, 低温保存精液の50~60mlを40℃の温水約700mlの入った1lポリビーカーに浸漬, 時々手振りによって振盪混和, 8~10分後に注入する方法 (手振りによる加温振盪処理) を試みた。
1「手振りによる加温振盪処理」によって精液温は33°~35℃まで上昇した。又, 活力回復も認められ, 保存日数1~2日の精子ではすでに前進運動を開始していた。活力の回復は保存日数の短かいものほど早かった。
2 48年3月~5月に授精を行なった1期では, 23頭中20頭 (87.0%) が受胎分娩し, 産子数は4~14頭 (平均9.5頭) であった。
3 48年11月~12月に授精を行なった2期では, 28頭中21頭 (75.0%) が受胎分娩し, 産子数は3~16頭 (平均8.2頭) であった。この時期に授精した豚には, パルボウイルス感染による異常分娩が7腹発生し, そのミイラ変性数を含めた場合には, 9.2頭で1期と変らない産子数となった。
4 保存日数が長くなると受胎率や産子数が低下するという傾向は, 1期, 2期とも認められなかった。

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