1979 年 16 巻 2 号 p. 147-154
1. 実用化を図るため, 曝気槽の実容積10m3のフロータ方式をスケールアップして35m3とした。曝気槽には希釈水を一切入れず, 処理水を希釈水として活用した。すなわち, 貯留槽の汚水のみを曝気槽に投入・処理することにより, 所期の浄化効果を達成するとともに実用化の見通しを得た。
2. 曝気槽において, 必要酸素量および供給酸素量について検討を行ない, 必要酸素量に対して, 供給酸素量が十分であれば, 浄化効率のよいことが判明した。
3. 余剰汚泥を未利用資源の一つとして利用するための脱水・乾燥技術は確立されていないのが現状である。
無機凝集剤や有機高分子凝集剤の使用および焼却等は, 豚ふん尿汚水処理においては不適当であるので, 最も単純な, 砂〓床による脱水・乾燥方法について検討した。
その結果, 余剰汚泥の砂〓床に対する負荷量を1.0kgSS/(m2・日) 以下にすることにより, 砂〓床の寿命が長く, 乾燥汚泥の辰さも約7mmで取り扱い易く, しかも, 晴雨に関係なく2週間以内に汚泥の水分が50%以下になることを実証した。
さらに, 目詰り対策としては, 砂〓床の表面を耕起し, 一定期間風乾した後均平化して使用した。この方法により, 砂〓床は5年以上の使用に耐えることを実証した。
本研究は, 農林省の家畜ふん尿処理・利用に関する特別研究費 (昭和43年~昭和46年) によって, 実施されたものである。