日本養豚研究会誌
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肥育豚舎の管理作業に関する研究
II. 冬季と夏季における作業能率の相異
岡田 光弘戸原 三郎佐々 斉
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1983 年 20 巻 4 号 p. 171-176

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抄録

著者らは4型式の肥育豚舎, すなわち, ふん尿分離型およびふん尿混合型スノコ式豚舎, 単飼型と群飼型のケージ式豚舎について, 管理作業の所要時間と歩行距離を調べ, 冬季と夏季で比較した。
1. 4型式の肥育豚舎で冬季と夏季をとおして行なわれていた単位作業は, 給餌給水作業と除ふん清掃作業であった。
2. 夏季, 1頭の肥育豚を1日管理するための所要時間を100とすると, 冬季は122.1となり冬季は夏季より大であった。また, 1頭1日当たりの歩行距離の平均値も夏季より冬季のほうが大であったが, バラツキが多く一定傾向はつかめなかった。
3. 給餌給水作業の所要時間は, 夏季を100とすると冬季は131.19となり, 冬季は夏季より大てあった。また, 歩行距離は冬季と夏季の間にほとんど差がみられなかった。したがって, 歩行速度は夏季より冬季のほうが遅かった。
4. 除ふん清掃作業の所要時間は冬季と夏季の間にほとんど差がみられなかったが, 歩行距離は夏季を100とすると冬季は79.35となり, 夏季より冬季のほうが少なかった。したがって, この作業の歩行速度もまた夏季より冬季のほうが遅かった。
5. 手入れ観察作業はふん尿分離型スノコ式豚舎と群飼型ケージ式豚舎において, また, 舎内整備作業は単飼型と群飼型の両ケージ式豚舎において, 夏季冬季ともに行なわれていたが, 2つの季節の間に明らかな傾向は認められなかった。

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