日本養豚研究会誌
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20 巻, 4 号
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  • 佐藤 正光, 菅原 七郎, 正木 淳二, 丹羽 太左衛門
    1983 年 20 巻 4 号 p. 157-162
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    PMSGとGn-RHの併用投与により発情, 排卵を誘起した未成熟豚の子宮液について, NaおよびK濃度, および蛋白質の性状を, 生化学的並びに組織学的に検索した。
    1. Gn-RH注射後, 32および34時間で屠殺した豚では, 全例排卵していなかったが, 40~43時間で屠殺した豚では81%が排卵していた。
    2. 子宮液中のNaおよびNa+K濃度は, 腟液および頸管液と比較して有意に高かった。卵胞期および排卵期の間には差がみられなかった。
    3. 子宮液のセルロースアセテート膜電気泳動では, グロブリン分画に酸性糖白質, アルブミン分画に1種類の蛋白質がそれぞれ検出された。
    4. 子宮上皮表面および子宮腺開口部付近の上皮細胞表層に, アルシアンブルー染色により酸性多糖質が検出された。
  • 戸原 三郎, 尾形 真二, 小原 薩雄, 横山 豪郎, 小春 英世
    1983 年 20 巻 4 号 p. 163-170
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    著者らはランドレース, 大ヨークシャー, ハンプシャー, デュロック, バークシャー種の豚13,225頭について, 胸椎数と腰椎数, 胸腰椎数の出現頻度を調査した。
    1. 胸椎数は14~17に分れていたが, ランドレースとハンプシャー種は16が最も多く15がこれにつぎ, 大ヨークシャーとデュロック, バークシャー種は, その逆であった。
    2. 腰椎数はほとんどの豚が5~7に分れ, いずれの品種も6が大多数を占めていた。
    3. 胸腰椎数型は19~24型に分れていたが, ランドレースと大ヨークシャー, ハンプシャー種は22型が最も多く21型がこれにつぎ, デュロックとバークシャー種は, その逆であった。
    4. 胸腰椎数を平均すると, ランドレース種が最も多くついで大ヨークシャー, ハンプシャー, デュロック, バークシャー種の順であった。
    5. 胸椎数と腰椎数の間には, いずれの品種においても低い負の関係が認められた。
    6. 平均胸腰椎数を20年前に比較すると, ランドレース種は同じか, やや減少気味であったが, ハンプシャーとデュロック, バークシャー種は著明に増加してランドレース種に近づき, 各品種間の差も少くなっていた。
    7. 系統造成豚は産肉能力検定豚より, 概して胸腰椎数が多い傾向であった。
  • II. 冬季と夏季における作業能率の相異
    岡田 光弘, 戸原 三郎, 佐々 斉
    1983 年 20 巻 4 号 p. 171-176
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    著者らは4型式の肥育豚舎, すなわち, ふん尿分離型およびふん尿混合型スノコ式豚舎, 単飼型と群飼型のケージ式豚舎について, 管理作業の所要時間と歩行距離を調べ, 冬季と夏季で比較した。
    1. 4型式の肥育豚舎で冬季と夏季をとおして行なわれていた単位作業は, 給餌給水作業と除ふん清掃作業であった。
    2. 夏季, 1頭の肥育豚を1日管理するための所要時間を100とすると, 冬季は122.1となり冬季は夏季より大であった。また, 1頭1日当たりの歩行距離の平均値も夏季より冬季のほうが大であったが, バラツキが多く一定傾向はつかめなかった。
    3. 給餌給水作業の所要時間は, 夏季を100とすると冬季は131.19となり, 冬季は夏季より大てあった。また, 歩行距離は冬季と夏季の間にほとんど差がみられなかった。したがって, 歩行速度は夏季より冬季のほうが遅かった。
    4. 除ふん清掃作業の所要時間は冬季と夏季の間にほとんど差がみられなかったが, 歩行距離は夏季を100とすると冬季は79.35となり, 夏季より冬季のほうが少なかった。したがって, この作業の歩行速度もまた夏季より冬季のほうが遅かった。
    5. 手入れ観察作業はふん尿分離型スノコ式豚舎と群飼型ケージ式豚舎において, また, 舎内整備作業は単飼型と群飼型の両ケージ式豚舎において, 夏季冬季ともに行なわれていたが, 2つの季節の間に明らかな傾向は認められなかった。
  • 杉本 亘之
    1983 年 20 巻 4 号 p. 177-184
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    全糞採取法と酸化クロム法の関係を, ランドレース種去勢雄 (体重26~82kg) 延122頭を用い, 27種類の飼料について比較検討した。供試豚は, いずれも代謝ケージに収容し, 全糞採取法と酸化クロム法を併用して消化試験を実施した。
    酸化クロムの回収率を, その平均値と標準偏差で示すと89.25±7.95%であった。この結果, 全糞採取法と酸化クロム法を比較すると, 各成分の消化率とも全糞採取法で有意 (P<0.01) に高く, 両手法の差は, 乾物2.60±2.05%, 有機物2.27±1.88%, 粗蛋白質2.68±2.04%, 粗脂肪3.06±2.40%, NFE 1.73±1.56%, 粗繊維8.79±8.03%, エネルギー2.60±2.02%であった。なお, 消化率の低い成分ほど, 両手法の消化率の差の大きいことが認められた。
    栄養価についてみると, 全糞採取法 (Y) と酸化クロム法 (X) との間には, DCP (%) でY=0.998 X+0.58 (r=0.998, P<0.01), DE (kcal/g) でY=1.003 X+0.10 (r=0.982, P<0.01), TDN (%) ではY=0.998 X+2.32 (r=0.986, P<0.01) の関係が認められた。この結果, 酸化クロム法によって得られた栄養価に, DCPでは0.58%を, DEでは0.10kcal/gを, TDNでは2.32%を加えることにより, 全糞採取法の各栄養価の推定が可能であった。
  • 1983 年 20 巻 4 号 p. 185-210
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
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