日本養豚学会誌
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ウェットフィーディングにおける肥育豚の水要求量と節水効果
宮脇 耕平伊東 正吾保科 和夫
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1994 年 31 巻 2 号 p. 35-42

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抄録

ウェットフィーディングの飲水特性の解明と節水効果の確認を目的として, 夏季および冬季の飼養試験を実施した。試験の処理区は, (1) 対照区: 従来型不断給餌器でドライ飼料を給与, 給餌器とは別の場所のニップル給水器で分離給水, (2) ウェット1区: 自然落下型ウェットフィーダーで給餌給水, (3) ウェット2区: 飼料切り出し型ウェットフィーダーで給餌給水, の3区を設けた。水の消費量は, 夏季試験においては対照区16.0l/日・頭に対し, ウェット1および2区はそれぞれ7.5および6.4lで, いずれも明らかに少なかった。冬季試験では, 各区とも5.9~6.2l/日・頭と区間の差は認められなかった。ウェットフィーディングの節水効果は気温によって異なり, 日平均気温では10℃以上, 日最高気温では15℃以上において発現するものと推察された。肥育豚の水: 飼料比は, 水消費量とほぼ同様な傾向にあった。また, ウェット1および2区の水: 飼料比から, 肥育豚の水要求量は乾物摂取kg当たり2.2~3.5kgと推定された。肥育豚の水消費量に及ぼす気象要因の影響は, 夏季では気温, 日照時間および日射量において有意の正の相関が認められた。一方, 冬季においては体重との間に有意の正の相関が認められたが, 気温等気象要因との相関は有意とはならなかった。

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