1975 年 33 巻 2 号 p. 129-135
シアノビグアビド(CB)の基礎的反応性および性状を検討する目的で, シナアミド, ジシアンジアミドの場合と比較しつついくつかの合成反応を試みた。まずCBは比較的緩和な条件下で酸加水分解をうけグアニルビウレット塩を生成する。また大過剰の塩化水素の存在下にメタノールと反応してビグアニル-O-メチルイソ尿素塩を生成し, ヒドラジン1塩酸塩との共融反応およびアジ化水素との加温反応では低収率ながら3-アミノ-5-グアニジノ-1,2,4-トリアゾール塩および5-アミノテトラゾールを生成した。Pd触媒による常温接触還元では主生成物としてホルモグアナミンが得られた。本研究では収得化合物の構造決定を行なうとともにその反応経路についても若干の考察を加えた。