日本惑星科学会誌遊星人
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107P/Wilson-Harringtonサンプルリターン計画(特集「月惑星探査の来たる10年:第二段階のまとめ:その2」)
橘 省吾浦川 聖太郎吉川 真中村 良介石黒 正晃
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2013 年 22 巻 1 号 p. 4-13

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抄録

地球外始原物質(より古い情報を記憶する物質)の科学は私たちの太陽系の歴史を銀河の歴史と実証的につなげる唯一の手段である.「はやぶさ」「はやぶさ2」の探査天体よりさらに始原的な情報が残されている可能性が高く,また来る10年に往復探査が可能な天体である107P/Wilson-Harrington(彗星/小惑星遷移天体)へのサンプルリターン探査を提案する.本探査計画は惑星物質科学の進展のみならず,太陽系初期につくられる揮発性物質を多く含む小天体の物理的特性を明らかにできる探査であり,惑星形成論においても大きな貢献をなすものである.

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© 2013 日本惑星科学会
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