抄録
『月惑星探査の来たる10年』検討では第三段階で3つのミッションコンセプト案をとりまとめ,各ミッションコンセプト案を第三段階委員会のレビューとパブリックコメントの集約という2通りの方法で評価した.本稿ではパブリックコメントの集約結果を報告する.評価の規準は(1)科学目標の重要性,(2)技術的実現性,(3)資金概算,(4)システム成立性,(5)スケジュール,(6)体制,という五項目である.多くのコメント提供者は(1),(2)については多様な意見を提示しているが,(3)〜(6)については経験の不十分さから評価することの困難を述べている.惑星科学コミュニティは今後も同様なトレーニングを繰り返すことで,宇宙探査の実現のための実力を養成する必要があるだろう.