日本惑星科学会誌遊星人
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特集「火星圏のサイエンス」
火星生命探査のための生命探査顕微鏡の開発
吉村 義隆山岸 明彦佐藤 毅彦宮川 厚夫今井 栄一佐々木 聰小林 憲正癸生川 陽子薮田 ひかる長沼 毅三田 肇藤田 和央臼井 寛裕
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2018 年 27 巻 3 号 p. 147-151

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抄録

近年の探査によって,火星表面で有機物や微生物のエネルギー源などが見つかり,火星に現在も微生物が存在する可能性が考えられるようになってきた.我々は、蛍光顕微鏡を使って微生物細胞を検出する生命探査顕微鏡(LDM)の開発を行っている.LDMは,様々な生体成分を検出する蛍光色素で試料を染色し,非生物起源を含む有機物,膜構造や触媒活性をもつ有機物(微生物細胞)の他,レゴリスやダストなどの鉱物を,1 µm/pixelの分解能で映像化し,生命の形態情報を得ることが出来る.また,微生物の検出感度は104 cells/gであり,地球上で最も微生物密度の低い土でも微生物を検出可能である.現在実験室レベルでの試験機のための設計と製作を行っている.本稿ではLDMの開発状況を報告する.

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© 2018 日本惑星科学会
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