日本惑星科学会誌遊星人
Online ISSN : 2423-897X
Print ISSN : 0918-273X
ISSN-L : 0918-273X
特集「ALMAで迫る惑星科学」
アルマ望遠鏡の現状と機能拡張計画「アルマ2」
ゴンサレス アルバロ 深川 美里伊王野 大介平松 正顕国立天文台アルマプロジェクトチーム
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 28 巻 3 号 p. 184-189

詳細
抄録

 アルマ望遠鏡は,2011年の観測開始以来,目覚ましい成果をあげている.原始惑星系円盤を高解像度で観測し,同心円状の隙間を持つ円盤を多数発見するとともに,地球にもっとも近い原始惑星系円盤では1天文単位スケールの構造を描き出した.一方,観測装置は2000年代の設計思想や技術に基づいている.そのため,アルマ望遠鏡が引き続き天文学を牽引していくために,今後10年の機能強化の指針となる『ALMA Development Roadmap』が国際的議論に基づき策定された.この機能強化は2020年代に共同利用観測と並行して行われる予定である(日本では「アルマ2」計画と呼ぶ).機能強化により,現在の100倍以上に及ぶ数の原始惑星系円盤で1天文単位スケールの構造をとらえることが可能になる.また,複雑な有機分子の原始惑星系円盤での分布を明らかにすることができると期待される.

著者関連情報
© 2019 日本惑星科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top