日本惑星科学会誌遊星人
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原始惑星が駆動するガス流:ペブル集積への影響
桑原 歩
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2022 年 31 巻 3 号 p. 203-219

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抄録

近年,∼mm–cmサイズの粒子(ペブル) が多数集積することによって惑星が成長するという新しいモデル(ペブル集積モデル) が盛んに研究されている.ペブルは惑星との重力相互作用の他に,原始惑星系円盤ガスからの抵抗を受けながら運動するため,原始惑星系円盤ガスの流れ場が極めて重要な役割を果たす.原始惑星系円盤内に埋もれた成長途中の惑星は,自身の重力によって周囲のガスの流れを乱すため,ペブル集積に基づく惑星形成を議論する際は,惑星-原始惑星系円盤ガス-ペブルの相互作用を考慮する必要があることが最近の研究で明らかとなってきた.本稿では,惑星周りのガスの流れ場がペブル集積に及ぼす影響について,筆者がこれまで行ってきた研究を紹介する.そして,惑星系の成り立ちについての考察を行い,惑星形成における様々な素過程への影響も議論する.

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© 2022 日本惑星科学会
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