原始惑星系円盤内に埋もれた成長途中の惑星は,自身の重力によって周囲のガスの流れを乱す. 高解像度の3次元流体シミュレーションから,原始惑星周りに複雑な3次元ガス流れ場が存在していることが明らかになった.原始惑星が駆動するガス流れ場には,シアー流卓越形態と向かい風卓越形態の2つの形態が存在する.本稿では,筆者がこれまで行ってきた研究に基づき,原始惑星が駆動するガス流についての紹介を行う.特に,原始惑星周りのガス流が,惑星質量及び惑星が受ける円盤ガスからの向かい風にどのように依存するかを解説する.更に,原始惑星が駆動するガス流がペブル集積に及ぼす影響を調べ,惑星形成過程への示唆についても議論する.
近年,∼mm–cmサイズの粒子(ペブル) が多数集積することによって惑星が成長するという新しいモデル(ペブル集積モデル) が盛んに研究されている.ペブルは惑星との重力相互作用の他に,原始惑星系円盤ガスからの抵抗を受けながら運動するため,原始惑星系円盤ガスの流れ場が極めて重要な役割を果たす.原始惑星系円盤内に埋もれた成長途中の惑星は,自身の重力によって周囲のガスの流れを乱すため,ペブル集積に基づく惑星形成を議論する際は,惑星-原始惑星系円盤ガス-ペブルの相互作用を考慮する必要があることが最近の研究で明らかとなってきた.本稿では,惑星周りのガスの流れ場がペブル集積に及ぼす影響について,筆者がこれまで行ってきた研究を紹介する.そして,惑星系の成り立ちについての考察を行い,惑星形成における様々な素過程への影響も議論する.
はやぶさ2は,2019年2月22日と7月11日の2回リュウグウの試料を採取し,それを2020年12月6日に地球へ届けることに成功した.その後,リュウグウの試料の分析が着々と進み,科学成果が次々と発表されていく中,はやぶさ2プロジェクトチームは2 0 2 2 年6 月末にて解散となった.2011年のプロジェクト化からでも,10 年以上という長期間の活動となったはやぶさ2について,プロジェクトチームの一員として名を連ねていた筆者の視点で振り返り,過去を懐かしむとともに,長い活動の中で得られた教訓等についてまとめる.
金星探査機「あかつき」に搭載されたカメラ群によって,多波長で多くの雲画像が得られてきた.このデータを用いて雲の模様の波長間の相関解析を行うことにより,雲の模様の形成に関わるメソスケール気象の手がかりが得られつつある.
第14回月惑星探査データ解析実習会の報告記事です.今回のテーマは『理学と工学がハイブリッドした,月面ローバー探査のためのデータ解析とSLAM体験』でした.新型コロナウイルス感染症対策として,ZoomとSlackを併用した多地点オンライン実習会の形式を取りました.申し込みのあった受講生の内訳は11機関(前橋工科大学,東京大学,青山学院大学,奈良女子大学,名古屋大学,東海大学,東京理科大学,早稲田大学,大阪大学, JAXA/ISAS ,会津大学)24名,講師および世話人が6機関(東大,阪大,JAXA,慶応大,神戸大,会津大)13名.理学パート工学パートで部分的に参加した人もいましたが,多くは通しで参加して理学と工学の交流が図れました.本実習会は,日本惑星科学会,神戸大CPS,会津大学ARC-Spaceの共催で行われました.
◇日本惑星科学会第57回総会議事録
◇日本惑星科学会第151回運営委員会議事録
◇日本惑星科学会第152回運営委員会議事録
◇日本惑星科学会第153回運営委員会議事録
◇日本惑星科学会賛助会員名簿
◇日本惑星科学会主催・共催・協賛・後援の研究会情報
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