愛知県環境調査センター所報
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最新号
愛知県環境調査センター
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 市川 智宏, 木村 由紀子, 岡村 瑠想, 臼井 敏紀
    2026 年2025 巻53 号 p. 1-6
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/18
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    河川水中のマイクロプラスチックの実態把握を目的として,2023年度から2024年度にかけて愛知県内の主要3河川で調査を行った.調査は,環境省の「河川・湖沼マイクロプラスチック調査ガイドライン」に基づいて実施し,マイクロプラスチックの個数密度は新川が平均14.4個/m3と3河川のうちで最も高く,続いて矢作川が5.9個/m3,豊川が1.0個/m3であった.マイクロプラスチック個数密度と流域背景情報を比較したところ,人口密度及び市街地率は正の相関が,森林比率は負の相関がみられ,特に調査地点近傍の流域背景情報の影響をより強く受けていると考えられた.また,各河川で採取されたマイクロプラスチックの形状を比較すると,繊維状が最も多く,フラグメントと合わせるとすべての河川で8割以上を占めていた.「繊維状」とそれ以外の「フラグメント等」で分けてマイクロプラスチックの色,種類,サイズ分布を解析したところ,形状ごとに特徴的なパターンが見られた.
  • 熊谷 禎晃, 山田 晃司
    2026 年2025 巻53 号 p. 7-20
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/18
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究では,排水基準を定める省令の改正(平成18年環境省令第33号)が,愛知県内の河川水中における全亜鉛(Zn)濃度に与えた影響について検討した.愛知県内の69地点における1991~2022年度の公共用水域調査データを用いて,時間に対するZnの傾きについて窓を移動させながら求めるローリング回帰によりZnの減少傾向が概ね収まった時期を推定し,対応のあるt検定によりその前後での濃度変化を確認した.ローリング回帰の結果,2009年4月を中心とする窓においてZnの有意な減少地点数と増加地点数が概ね等しくなったことから,2009年4月を基準年月とし,前後各2年間におけるZn濃度の比較を行ったところ,69地点中22地点で有意な濃度減少が認められ,とりわけ,木曽川,庄内川,境川,矢作川,豊川の本川下流側で有意な濃度減少が確認された.また,2007年4月~2009年3月の段階で0.03 mgL⁻¹を超えていた12地点のうち7地点で有意な濃度減少が認められた.この結果は,省令改正による排水基準強化がZnの減少に一定の効果をもたらした可能性を示唆している.
  • 成瀬 憲政, 坂井田 稔
    2026 年2025 巻53 号 p. 21-25
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/18
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
     六価クロムの分析法であるジフェニルカルバジド(以下DPC)吸光光度法について,試料として標準物質及び実排水を用いて試薬の添加方法が工場排水回収率に与える影響を調べた.公定法である試料に硫酸を加えてからDPC溶液を添加する正添加法と,硫酸とDPC溶液を添加する順序を正添加法から逆にする逆添加法と,硫酸とDPC溶液を予め混合してから試料に添加する同時添加法について各法の回収率の違いについて検討した.還元性物質を含む標準試料について,正添加法では還元性物質の影響を著しく受けるが,逆添加法及び同時添加法では大きく軽減できた.また,同時添加法では試料に予めアセトンを加えることで回収率を高められることもわかった.実排水に対しては正添加法と逆添加法のそれぞれで回収率が大きく下がる検体が見られたが,同時添加法はそのような試料に対しても高い回収率を得ることができた.
  • 田中 陽, 島岡 豊, 石黒 雅仁
    2026 年2025 巻53 号 p. 27-37
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/18
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    航空機騒音に係る環境基準は2007年に改正され,騒音の評価指標は,最大騒音レベルに基づくWECPNL(加重等価平均感覚騒音レベル)からLEA(単発騒音暴露レベル)に基づくLden(時間帯補正等価騒音レベル)に移行し,新しい環境基準は2013年4月に施行された.新旧環境基準の値の差は理論上13とされているが,当所の調査結果におけるWECPNLとLdenの測定値の差は,この値からのずれが見られる場合もある.これまでに,県営名古屋空港周辺の常時調査地点については,継続時間を20秒と仮定しているWECPNLの算出過程で,実測の継続時間による補正を行うことにより,新旧評価指標の差は13に近づくことが報告されている.本研究では,短期調査地点における測定結果についても同様の継続時間補正を適用して,新旧評価指標の比較検討を行った.継続時間補正を行うことにより,短期調査地点についても新旧評価指標の差は13に近づく傾向が見られた.また,地点ごとに継続時間の分布に特徴があり,継続時間補正前の新旧評価指標の差は,WECPNLが大きいほど大きくなるという過去の報告と同様であった.
  • 堀尾 拓矢, 尾崎 敬代, 大野 卓夫, 大橋 那津子, 小澤 優貴, 原田 健司, 椋本 輝, 山田 由貴
    2026 年2025 巻53 号 p. 39-50
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/18
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    電子付録
     愛知県で準絶滅危惧種に選定されているムササビPetaurista leucogenysについて,尾張地域を面的に調査した例がなく分布が不明であるため,当該地域の生息状況を調査した.調査は,当該地域をレッドデータブックあいち2020で採用されている日本測地系による5倍地域メッシュで区切り,1メッシュあたり1地点以上の計89地点で,個体の目視,鳴き声,食痕,糞を確認する方法により行った.その結果,89地点のうち31地点,調査対象28メッシュのうち13メッシュで生息を確認した.今回の調査により,レッドデータブックあいち2020で確認されていた5メッシュのほか,新たに8メッシュで生息を確認した.
  • 山田 由貴, 原田 健司
    2026 年2025 巻53 号 p. 51-64
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/18
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
     アルゼンチンアリ(Linepithema humile)は特定外来生物であり,愛知県では2005年に初めて侵入が確認され,生態系や生活環境に悪影響を及ぼしている.本研究では,アルゼンチンアリの生息域及び個体数の減退を加速させ,根絶を目指すため,生活環の季節適応を考慮した防除方法(以下,「季節防除」という.)を検討した.春季は採餌行動が活発化し,越冬女王アリによる産卵が再開する時期であるため,ベイト剤(有効成分:フィプロニル)を面的に設置し,巣穴へ液剤を散布する防除(以下,「春季防除」という.)を2023年4月~6月に3 回実施した.防除前後のベイトトラップ調査で,生息域及び個体数の減退が確認された.また,繁殖シーズン(4月~11月)の検出個体数増加率を比較した結果, 2022年は13倍に増加したのに対し,2023年は0.85倍に減少し,明確な差が得られた.このことから,季節防除はアルゼンチンアリの生息域及び個体数の減退を加速させる有効な手段であることが示された.
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