トミヨ属魚類は、北半球北部に生息するが、環境変化などによって減少傾向にある。このため、効果的な保全方策を検討するために、詳細な遺伝情報が必要である。ついては、Pungitius pungitius、 P. sinensis、およびP. tymensisにおける14座の4塩基反復と2座の5塩基反復のマイクロサテライトDNAマーカーの開発を行った。開発した16マーカー座を使用して3標本群の分析を実施したところ、対立遺伝子数は1-20、ヘテロ接合体率の観察値が0.000-0.934、ヘテロ接合体率の期待値が0.000-0.934であった。連鎖不平衡とハーディーワインベルグ平衡からの逸脱は観察されなかった。以上の結果から、今回開発したマイクロサテライトDNAマーカー座は、P. pungitius、P. sinensis、およびP. tymensisの保全方策を検討するうえで有用であると考えられた。
AFLP法を応用した手法でグッピー3系統(S、SC、G)間のメチル化パターンの差異を検出した。合計126のメチル化変異領域が検出された。何らかのメチル化が生じている頻度は、S 系統で高く、G 系統で低かった。また、メチル化の有無で系統間の類縁関係を調べたところ、S と SC 系統が近く、G 系統が離れていた。この系統間の関係はアイソザイムなどで得られている系統間の関係と同様であった。このことは、系統育成の過程が DNA メチル化パターンにも反映している可能性が考えられた。
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