脳底動脈近位部の解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血後の肺炎併発例の理学療法経過について報告した。体位排痰法と用手的手技のみでは排痰の効果を上げ難く，アンビュバッグによるよる加圧の併用により，有用な排痰法が実施された。本症例は，呼吸中枢の障害による慢性的な肺胞低換気状態のため，安定期の動脈血酸素分圧は低値である。そのため，肺炎・無気肺によって肺胞-動脈血酸素分圧較差が開大すれば容易に低酸素血症に陥る。そして，球麻痺（嚥下障害，咳嗽反射の低下），頚部伸展位での拘縮などによって，肺炎・無気肺を反復しやすい状態にあった。したがって，慢性期においても予防的な排痰法が重要であり，そのための医療提供側の整備が重要と思われた。

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人工股関節置換術（total hip arthroplasty；THA）を施行後，歩行中の股関節伸展角度が減少した症例に対する歩行練習としてトレッドミルトレーニング（treadmill training；TT）を実施し，その即時的効果を検討した。TT未実施日にはコントロール治療として他動的股関節伸展運動と平地での歩行練習を実施し，TT実施日，未実施日の各治療前後に平地歩行中の股関節最大伸展角度を求めた結果，TT前後で未実施日より大きな増加を認めた。TTは，THA術後症例に対する歩行練習として有効であることが示唆された。

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