火星大気の熱ならびに循環構造を特徴付ける要因として大気中のダストがあるが, その供給過程は未だ良く理解されてはいない. この問題に対して, 我々は高解像度火星大気大循環モデルシミュレーションによってその描像を得ることを計画しており, 現在, 比較的低解像度(T79L48 と T159L48)での実験を予備的に行っている. モデルは, 地球シミュレータ用地球大気大循環モデル AFES の力学過程に, 我々が開発してきた火星大気大循環モデルの物理過程を導入したものである. T159L48 の実験では, 春と秋の極冠境界付近において傾圧波に伴った前線の発達が表現され, 対応してダストの強い巻き上げが見られた.
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