理論応用力学講演会 講演論文集
第57回理論応用力学講演会
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OS11-2 地震リスクマネジメント
  • 小池 武
    セッションID: 1D06
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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     本研究は,検討対象として既設ライフラインシステムの地震防災投資を考え,性能設計法の観点から事業利害関係者(stakeholder)である事業出資者・事業運営者・設計者・施工者間で合意形成されるべき目標性能値の決定法について論述したものである.  既設ライフラインシステムは経年劣化する状態にあるとし,残存供用期間中の地震防災投資としてどのような投資が最も有効であるかを検討する.そこでは,事業性評価を行う指標として後述する価値指標を導入し,目標性能値と投資資金の間の相互依存関係を定式化することで,構造物の性能設計を実現するための目標性能実現確率の合理的な設定手法を提示する
  • 古田 均, 服部 洋, 大浜 拓也, 吉田 幸平
    セッションID: 1D07
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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    近年,国家予算の減少に伴い,公共事業投資も減少しているため,橋梁の新設を行わずに,維持管理を行う傾向にある.橋梁の維持管理体系確立のためにはライフサイクルコスト(Life-Cycle Cost : LCC)の評価法が重要であり,さらに不確実性を考慮した上で,橋梁の維持管理計画を行う必要がある.また,橋梁の維持管理では毎年度の予算が限られており,年度単位でのコストの平準化を考慮しなければならない.さらに,LCC,被災リスクを考慮した長期維持管理計画を策定するには,橋梁の劣化度を正確に予測することが必要不可欠である.しかし,正確な劣化度の予測は難しく,最適な長期維持管理計画を策定することは困難である.本研究では,常時正確な劣化度を監視することの出来るヘルスモニタリングを用いた橋梁維持管理システムの構築を試みる.そして,ヘルスモニタリングを用いた際のLCCと被災リスクを検証することにより,提案システムの有用性を示す.
GS1-1 流体力学
OS1-1 地盤工学問題の解析における新しい展開
  • 小林 俊一, 井澤 良介, 田村 武
    セッションID: 1E05
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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    本研究では、浅い基礎と地盤のインターフェースに着目し、組合せ荷重を受ける浅い基礎の支持特性を混合型剛塑性有限要素法によって評価したので報告する。
    基礎に作用する荷重条件によっては、浅い基礎と地盤の間には接触する部分と分離する部分が現れたり、またすべりによってずれたりする部分が現れる。そこでこのインターフェースの挙動を、2つの不等式制約条件、すなわち引張り強度ゼロという条件とクーロン摩擦則に従う条件でモデル化し、著者らが提案する混合型剛塑性有限要素法に組み込んだ解析法を提案し、解析コードを開発した。
    開発した解析コードを用いて、組合せ荷重を受ける浅い基礎の支持特性が、地盤パラメータ(粘着力、内部摩擦角、自重)やインターフェースでの摩擦係数によってどのように変化するかを数値実験で検討した。その結果、インターフェースでの摩擦係数や、地盤材料の内部摩擦角によるせん断強度の拘束圧依存性は、支持特性に大きな影響を及ぼすことが分かった。
  • 齊藤 正人
    セッションID: 1E06
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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    振動数依存性を有する基礎ー地盤系のインピーダンス特性を、パラメータモデルによって適切にモデル化する試みが、様々な研究者により約半世紀に亘って行われてきた。パラメータモデルとは、振動数に依存しないばねやダンパー、あるいは質量を並列・直列に複数組み合わせたものである。著者はこれまで、Gyromass要素を考案し、これをパラメータモデルの一要素として利用することで、様々なインピーダンス特性を再現することに成功した。本論文では、このモデルを用いて、これまで解明されていなかった振動数依存性が上部構造物の非線形性に及ぼす影響について評価を行い、振動数依存性が特定の固有振動数と耐力を持つ非弾性構造物の応答に著しく影響を及ぼすことを確認した。
  • 坂井 宏隆, 前田 健一, 小中 智博
    セッションID: 1E07
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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    近年は集中豪雨などの都市型災害が増加しており、都市河川での浸透破壊対策や解析法の開発が切望されている。浸透破壊は浸透流によって地盤が進行的に変状し、大変形を伴って破壊する現象である。そこでこのような進行破壊挙動を解析するため、粒子法でメッシュフリー法の一つであるSmoothed Particle Hydrodynamics(SPH)法を用いた浸透破壊解析手法の開発を行った。本稿では、異なる物質間の密度の計算方法、運動方程式の検討、境界の設定方法とその影響、XSPHの効果、時間刻みの検討と新しい提案を行い、計算手法の妥当性を検討する。
  • 本間 重雄, 近藤 博
    セッションID: 1E08
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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    液状化時の飽和砂地盤の粘性抵抗を、地盤中を等速沈降する球体の落下速度よりStokesの法則を通じて評価する方法について述べ、その粘性係数をもとに液状化発生時の地盤の流動変形を、半無限弾性体表面に円形等分布荷重が載荷された場合の弾性解に対するMaxwell体およびKelvin体による線形粘弾性対応原理により解析する手法について検討した。また、解析条件と同じ状況に対する室内振動実験を実施し、液状化時の地表面変位の時間的推移について解析結果と比較した。
  • 大槻 敏, 松岡 俊文
    セッションID: 1E09
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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    出砂は,地下資源の採収に伴い貯留層の砂粒子が流体に伴って移動し,やがて坑井内に流入する現象である.本研究は,格子ボルツマン法と個別要素法をカップリングした数値シミュレーション手法を用いて,パーフォレーション・トンネル周辺での砂粒子の詳細な挙動の評価を試みたものである.格子ボルツマン法は,複雑かつ時間変化する境界形状を有する流体のシミュレーションに適している.一方,個別要素法は大変形問題に対しての解決策として注目を浴びている.従って,この手法は,貯留層中の流体の流れと未固結砂岩を構成する砂粒子の挙動を同時にシミュレートすることができる.
OS26-1 多相構造とレオロジー
OS26-2 多相構造とレオロジー
  • 高橋 勉, 青山 祐二, 白樫 正高
    セッションID: 1F05
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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    ひも状ミセルを形成するCTAB(Cetyltrimethylammonium Bromide)・NaSal水溶液のスタートアップ流れにおいて形成されるせん断誘起構造の形成と緩和の過程を詳細に観察し,形成された構造の緩和時間について検討を行った.同心二重円筒流路を用いて所定のずり速度で構造が形成されるまで流動を加えた後に急停止し,一定時間後に同じずり速度で流動を再開した.このときのせん断応力,流動複屈折および小角散乱の時間的変化より形成された構造の持続時間を評価し,通常状態の溶液の緩和時間に対して長時間の緩和を示すことを見いだした.
  • 浅井 隼人, 川口 正美
    セッションID: 1F06
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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    水酸化カリウム水溶液に粒径が150 nmのシリカ粒子を分散したサスペンションにカチオン性界面活性剤を添加した場合のレオロジー挙動を、界面活性剤の吸着、相図、および光散乱測定と併せて検討した。サスペンションはゾル、ゲル、そして固-液二相分離領域に大別された。ゾルとゲル領域について、レオロジー測定を行った。ゾル領域の示すヒステリシス曲線は界面活性剤濃度の増加に伴い変化し、アルキル鎖の短い界面活性剤では負のヒステリシス曲線が、長いアルキル鎖の界面活性剤では正のヒステリシス曲線がそれぞれ得られた。フラクタル解析から、界面活性剤の違いによってゲル化機構が全く異なることが示唆された。また、これら結果は、界面活性剤の吸着特性とせん断流動下における光散乱実験からも合理的に説明できた。
  • 斉藤 優, 小倉 裕直, 大坪 泰文
    セッションID: 1F07
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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     会合性高分子は親水性の主鎖を持ち,小さい疎水基を有する高分子である。疎水基の会合により生じる3次元網目構造により,水溶液は粘弾性液体となる。このような系にシリカ粒子が添加されると,粘度が低下し,最小粘度を示す。そしてその後,粒子濃度上昇とともに,粘度が増加する。この粘度低下はシリカ粒子表面に高分子鎖が吸着することで,会合ネットワークが破壊されるためと思われる。粒子濃度が上昇するにつれて,溶液中の高分子濃度が下がり,最終的にはすべての高分子が表面に吸着する。この点を超えると,高分子に覆われている粒子表面が部分的となり,粒子間の強い相互作用が高分子架橋によって引き起こされる。分散系の粘度挙動におけるシリカ粒子濃度の影響は,高分子吸着に起因する溶液の粘度減少と,凝集により粘度上昇によって説明することが出来る。
  • 那須 昭夫, 大坪 泰文
    セッションID: 1F08
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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    無機系紫外線防御剤として化粧品では非常にニーズの高い微粒子酸化チタンおよび酸化亜鉛のシリコーン溶媒中における分散特性を、使用した分散剤の構造や分散したサスペンションの保存状態などの観点から、レオロジー的手法を用いて解析した。分散剤にはシリコーン油に可溶で汎用性の高いポリオキシエチレン変性シリコーンを用い、分散したサスペンションの定常流動特性および粘弾性特性とサスペンションの紫外線防御特性との関係を検討した。その結果、レオロジー解析値と紫外線防御特性との間には相関が成り立つことがわかり、紫外線防御性能を最大限に発揮させる微粒子粉体分散系を定量的に確立することが可能となった。
  • 名畑 嘉之
    セッションID: 1F09
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    昨年の講演会にて硬めの乳化クリームサンプルの流動特性において、0.1から1s-1付近のずり速度領域にステップ的なずり応力変化が観察されることを報告した。その後、観測されるずり速度域は異なるが、フッ素雲母分散物においてもステップ的なずり応力変化を観測した。フッ素雲母分散系で見られたこのステップ的なずり応力変化も、サンドブラスト処理等で表面粗さを大きくしたセルを使用すると激減した。ステップ的なずり応力変化が観測されるのは、ずり歪みの印加によりセル/サンプル界面部に何らかの構造体が形成されるためと考えている。
  • 河原 成元, 山本 祥正, 藤井 修治, 五十野 善信, 陣内 浩司, 西岡 秀夫
    セッションID: 1F10
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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    ナノマトリックス構造は、厚さ数nm~数十nm のポリマーのマトリックスに平均粒径1m程度のエラストマーを分散することにより形成される相分離構造である。我々はこれまでの研究で、直径1m 程度の天然ゴムを水に分散したラテックスの状態で、分散質の表面を覆うようにスチレンをグラフト共重合した後、ラテックスを凝固および熱処理することによりナノマトリックス構造が形成されることを見出した。本研究では、天然ゴムに形成したナノマトリックス構造を透過型電子線トモグラフィー(TEMT)および収束イオンビーム-走査型電子顕微鏡(FIB-SEM)により観察し、ゴム状平坦域における貯蔵弾性率と損失弾性率が共に増加することと関係づけた。
OS21-1 航空宇宙機の飛行制御技術
OS21-2 航空宇宙機の飛行制御技術
  • 坂本 登, 大和 裕平
    セッションID: 1G05
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    近年,最適制御の適用に不可欠なハミルトン・ヤコビ方程式に対し,安定多様体理論を用いた近似解法が提案されている.本研究では,航空機の姿勢制御にこの近似解法による最適制御を適用し,失速付近から安定状態に回復することができることを示す.従来用いられていた級数展開法と比較し,より広い範囲の飛行状態を安定化できることを報告する.
  • 元田 敏和
    セッションID: 1G06
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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    航空宇宙機の開発においては、実環境での飛行試験が困難であることが多い.例えば、ロケットを事前に、試験的に飛行させて性能の確認を行うことは事実上不可能である.ところが現実には、環境条件の変動、センサ計測誤差、機体モデルの誤差など、様々な不確定要因が存在する.このような条件下においても初フライト時に期待される要求を満足し、ミッションを達成することが求められる.従って飛行制御系の設計においては、飛行前の事前評価が決定的に重要となる.そこで近年、計算機能力の向上と共に有望となってきた事前評価方法として、モンテカルロ評価がある.これは様々な不確定要因を考慮し、しかも非線形モデルを直接評価できる利点を持つ.本稿では、このモンテカルロ評価とその応用について述べる.
  • 小島 広久, 杉本 哲郎
    セッションID: 1G07
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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    過去,様々な研究においてエレクトロダイナミックテザー衛星システムのダイナミクスの不安定性が論じられてきた.特に,テザー衛星システムの地球周回軌道離心率及び,軌道面外方向に発生するローレンツ力によって起因されるカオス的不安定性が顕著であると考えられる.本論文では,カオス制御の一つである遅延フィーバック(DFC)を楕円軌道上のEDTへ適用し,不安定周期運動を安定化できるかどうかをフロケの定理を使い理論的に解析を行なった.その結果,楕円軌道上EDTシステムの軌道面内運動のみの周期解は,DFCでは安定化できないシステム条件である,奇数制約を持つことが分かった.一方,軌道面外を含む周期解はこの奇数制約がないことが分かった.そこで本研究では,最適なフィードバックゲインを固有値解析の結果から選択することにより,従来安定化が不可能と言われていた高離心率な軌道においても,軌道面外不安定周期解を安定化できることを示す.
  • 濱田 吉郎, 大谷 崇, 木田 隆, 長塩 知之
    セッションID: 1G08
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    本講演では,2006年12月に打ち上げられた静止3トン級大型柔軟構造衛星「きく8号(ETS-VIII)」の,後期利用段階における軌道上姿勢制御実験計画について報告する.制御実験における主要課題は,太陽電池パドルの回転によって運動特性が変動する大型柔軟構造衛星に対して,ロバストかつ高精度な姿勢制御系の設計手法を確立することである.現在μ設計を含む複数の制御系の開発を進めているが,本稿ではその中でもゲインスケジューリング制御則を取り上げ,その設計法を解説し,古典的な制御手法に対する優位性をシミュレーション結果で示す.
OS4-1 連成現象・複合現象のシミュレーション
  • 江口 譲
    セッションID: 1H01
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    浮屋根付き石油貯蔵タンクの地震時スロッシングを数値解析により評価することを目的に、流体構造連成現象の有限要素法解析コードSMART-slgを開発した。SMART-slgでは、浮屋根が薄肉構造であることを利用して、浮屋根の慣性力と復元力を流体運動の応力境界条件として取り扱うモデル(流体表面/構造融合モデル)を新たに考案して用いている。流体表面/構造融合モデルでは、構造と流体の運動方程式を一体化して取り扱うことができるため、ALE(Arbitrary Lagrangian Eulerian)法に基づく自由液面解析法をそのまま活用することができる他、安定で精度の良い解析が可能となる。既往の矩形タンク(アルミ製浮屋根模型付き)の加振実験結果(2003年十勝沖地震波の観測加速度に基づく加振実験)によって浮屋根モデル化の妥当性を評価したところ、スロッシング特性が概ね一致することが示された。
  • 犬塚 一徹, 山田 知典, 吉村 忍
    セッションID: 1H02
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    近年MAVと呼ばれる数mmサイズの小型飛行ロボットの開発が盛んになっている。このようなサイズでは、鳥や昆虫を模倣した羽ばたき型の翼が、固定翼や回転翼と比較して高い飛行性能を発揮することが知られている。しかしながら羽ばたきによる空気力発生のメカニズムは複雑な非定常流体現象を利用したものであり、詳細な解析は容易でないため、翼の動かし方と飛行性能との関係は明確になってはいない。そこで本研究では、計算機シミュレーションを用いて様々な翼の羽ばたき運動とその結果発生する揚力や消費エネルギーを分析し、運動パラメータと飛行性能の関係を明らかにするとともに、より高い飛行性能を実現するよう翼の運動を最適化する。
  • 岡 二三生, 木元 小百合, 肥後 陽介, 後藤 優典, 森中 雄一
    セッションID: 1H03
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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    地盤の大変形問題をFEMにより数値的に解く場合、要素更新型のupdated Lagrangian法を用いても,要素の変形が過度になると要素の絡み合いのため計算が続行できなくなる。Sulskyら(1994)によるMaterial Point Methodは物体をLagrange粒子に離散化し全体の運動方程式の計算はEuler格子で行うため,要素の絡み合いの問題が無く大変形も解析できる。地盤材料は本来多相混合体であるが,MPMでは一相系材料の解析がほとんどである。そこで本研究では,MPMを固液二相連成解析法へと拡張する。運動量保存則と連続式を支配方程式とし,骨格をMPM,間隙流体をFDMで定式化した。二次元飽和多孔質体の変形解析を行い、有限要素法による結果と比較し、提案した解析法の検証を行った。
  • 脇田 友貴子, 西浦 泰介, 下坂 厚子, 日高 重助
    セッションID: 1H04
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    凝集体の分散処理を高精度に制御するためには,媒体撹拌ミル内のビーズ挙動と流体流れについて正確に理解する必要がある.本研究では,数値シミュレーションを用いてミル内に生じるエネルギーを推算し,凝集体の分散メカニズムを検討した.まず,LESとDEMを用いて乱流流れとビーズ挙動をtwo-wayカップリング法で扱う湿式媒体撹拌ミルのシミュレーション法を開発した.本シミュレーション法を用いて,ビーズ充填率が異なる条件下で単位時間単位面積当たりの流体せん断エネルギーとビーズ間衝突および摩擦エネルギーが凝集体の分散に及ぼす影響を検討した結果を報告する.
  • 舩津 賢人, 白井 紘行, 中村 大介
    セッションID: 1H05
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    宇宙空間における宇宙船の姿勢制御や高々度における推進の研究を行う場合、ノズル内外の流れの特徴を知ることは重要である。そこで、本研究では、比較的低密度の反応性ノズル内流れをDSMC解析した。ノズル内の解析には、空気の代表的な5化学種を考慮した場合と、イオンや電子を含めた11化学種を考慮した場合を検討した。5化学種では19の化学反応を、11化学種では87の化学反応を考慮した。計算はノズル壁面と分子との衝突をMaxwellモデルとCLLモデルに対して行った。これらより、希薄な流れ場を解析する場合における化学種の増加による化学反応の影響、および壁面モデルの流れに及ぼす影響を比較検討した。
OS4-2 連成現象・複合現象のシミュレーション
  • 立川 雄也, 金山 寛, 石井 千明, 長谷川 弘
    セッションID: 1H06
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    固体高分子形燃料電池の性能向上試験は,今現在多くの企業や研究チームによって行われている.性能向上試験で得られた知見の中でも,疎水性の撥水層(MPL)を従来のガス拡散層(GDL)と触媒層(CL)の間に設置すると,特に性能の向上につながることが確認されている.これは撥水層を使用することでセル内部の水管理問題が改善する点が,発電効率の向上する要因と考えられる.しかし単セル内部の水と水蒸気の二相状態における輸送現象は非常に狭い領域で発生しているため,実験によってその挙動を知ることは難しい.そこで当研究室では,撥水層を設置した場合と設置しなかった場合の単セル内部の輸送現象について有限要素法を用いた数値解析を行い.解析の結果得られた熱と圧力の分布について考察を行った.
  • 武居 周, 杉本 振一郎, 吉村 忍, 金山 寛
    セッションID: 1H07
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    携帯電話等の情報通信機器より生じる電磁場による環境影響が懸念されている.これらは数MHz~数GHzの高周波電磁場であり,人体暴露時の熱効果による脳や眼球の温度上昇を高精度に計算する手法が必要とされている.これまでに電磁場や熱伝達等の大規模解析ための汎用計算力学システムADVENTURE Systemが開発されているが,実現象は電磁場と熱の2つの現象が相互関連するため,この複合現象を考慮した連成解析が必要となる.以上より本研究では既にある単一力学現象ソフトウエアを効率的に接続した高周波電磁場-熱伝導連成解析システムを開発している.講演会では本システムによる基礎的検討を行った結果について報告する.
  • 吉村 忍, 米村 望, 山田 知典
    セッションID: 1H08
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    著者らは、分離型解法をベースに、大規模な並列解析コードを連携させることにより、様々な大規模な連成解析が可能なプラットフォームREVOCAP_Couplerを開発した。このプラットフォームには、LESに基づく大規模な流体解析コードFrontSTR/blue, red、大規模並列構造解析コードFrontSTR、大規模並列磁場解析コードREVOCAP_Magnetic、オープンソース並列計算力学システムADVENTUREなどを接続することができる。本論文では、REVOCAP_Couplerシステムの理論、実装法、流体構造連成解析の応用例について発表する。
  • 副田 俊介, 山下 倫央, 野田 五十樹
    セッションID: 1H09
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    CBRテロによる被害を予測するシステムのために用いる,シミュレーションのプラットホームについて説明する.近年,CBRテロへの危機感が高まりつつある.しかし,CBRテロは,他の多くの災害と比べ知見が少なく,CBRテロの被害を予測するシステムへの要求は高い.CBRテロは有害物質を散布し起こすテロであるため,被害予測には有害物質の拡散のシミュレータと,被災者の避難のシミュレータが必要である.本稿では拡散シミュレータと避難シミュレータを連動させるための,DaRuMa を用いたシミュレーションプラットホームについて説明し,本来は独立したシステムである各シミュレータを効率的に運用できることを示す.
  • 木村 佳史, 文屋 信太郎, 吉村 忍
    セッションID: 1H10
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    多数の制約が複雑に絡み合う交通分野において、実験の代替としてのシミュレーションは、経済性や安全性の面でその利点を最大限に発揮できる。交通流シミュレーションからより現実に即した結果を得るためには、実際の道路環境や交通システムをより正確に再現すること求められる。当研究室で開発中の知的マルチエージェント交通流シミュレータMATES上では、自動車や歩行者などのエージェントは二次元平面上の道路網を移動するように設計されている。そこで本研究ではMATESのフレームワークに三次元的な「高さ」の情報を導入する。また、道路勾配が原因と考えられている交通問題に関する検討を行う。
  • 相川 明, 浦川 文寛
    セッションID: 1H11
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    砕石集合体からなる鉄道バラスト軌道は,交通荷重による沈下現象が避けられず,バラスト砕石集合体の動的な挙動の解明が望まれている.本論文では,三次元の動的な不連続体解析に役立てるため,三次元デジタイザを用いて砕石の三次元形状を測定し,新たに提案した多面体作成アルゴリズムにより,砕石形状を多面体数値モデルとして自動作成するシステムを構築した.鉄道実軌道で用いられている4000個以上のバラスト用砕石形状を測定し,3軸方向の慣性モーメントに関する比較を行い,本計測システムによるバラスト現物の再現性を検証した.また,三次元個別要素法を用いて,砕石集合体を締め固め,さらに,その載荷および除荷シミュレーションと試験結果とを比較討した
  • 酒井 勇輔, マトゥッティス ハンス-ゲオルク
    セッションID: 1H12
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    粉粒体現象にみられる複雑流体的挙動は単純に流体力学や連続体力学を適用できない.そこで本研究グループでは,粒子は多角形とし離散要素法を,流体に有限要素法を用い,それらを組み合わせたシミュレーションモデルを構築した.有限要素法は,基礎方程式に非定常非圧縮ナビエ-ストークス方程式を用い,要素には三角形のP2-P1要素を用いた.多角形粒子は自由に移動できるため,ステップ毎に格子を再生成する.三角形要素は粒子と流体との境界を容易に一致させることができ,これはlevel-set法やCIP法ではできない. 本研究では,2次元ニュートン流体中の粒子の運動のシミュレーションを行い,格子および時間刻みの適応(最適化)について解析した.
GS4-1 土木・建築構造解析
  • 松本 健作, 宋 東烈, 玉置 晴朗, 矢澤 正人, 岡田 崇, 竹澤 弘久, 小葉竹 重機, 清水 義彦
    セッションID: 2A01
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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     高度経済成長期に施工された多くの河川構造物が経年的な劣化を蓄積させ補修を必要としている.一方で維持管理の予算は減少傾向にあり,これらの効率的な維持管理手法の確立が急務となっている.本研究では河川構造物として,特に河川橋梁および河川堤防に着目し,出水の影響でどの程度の構造的な変化をきたしているかを,出水時の連続的な計測によって加速度の時系列データを得,その時系列解析を行うことで,種々の状態推定を行った.結果として出水によって橋梁の固有振動数に変化が見られ,その影響が伝播して近隣の河川堤防の振動特性に影響を与えていることが明らかになった.
  • 松本 康寿, 吉田 秀典
    セッションID: 2A02
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    乾燥収縮に関する研究事例の多くは,簡易な力学モデルの構築,毛細管現象などに代表されるような微視的構造レベルに基づくメカニズムの解明,そして経験的に物理性能を定めるというようなものであるが,これらの知見を上手く統合し,実際の構造物に適用して,それらの妥当性を検証するというような事例はまだ多くない.そこで本研究では,こうした既往の研究より得られた知見を統合して新たなモデルを構築する.さらに,水-応力の連成有限要素解析を実施し,乾燥収縮ひずみ挙動の再現を試み,提案モデルの妥当性を検証するこことした.提案するモデルを組み込んだ3次元有限要素解析は,コンクリート供試体中の相対湿度および乾燥収縮ひずみ挙動に関して,実験を精度よく再現できること,また,JCI式およびCEB式と比較しても高い解析精度を有していることなどから,簡易的ではあるものの提案モデルは妥当なものであり,かつ,工学的にも有用であると考える.
  • 高野 真希子, 木田 哲量, 今野 誠, 須藤 誠, 加藤 清志, 加藤 直樹
    セッションID: 2A03
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    飛行場滑走路や高速道路舗装に使用されているようなコンクリート平板が弾性基礎上にある場合、半無限ばりの解析では、従来はその変形および曲げモーメント分布は単純な逆ベル形であったが、本研究によれば減衰部に極性の交番する変形が発生することを明らかにした。この事実は設計にあたり、単純曲げではなく曲げ疲労強度を考慮すべきことを示唆してる。また、有限版の場合には、一般に端の浮き上がりも問題となっているのが現状である。そこで本研究では、半無限舗装版に車輪型点荷重を受ける場合の応力解析にあたり、_丸1_目地なし半無限版、_丸2_目地あり半無限版を想定し、たわみ、曲げモーメント、地盤反力係数等の相関関係を総合的に考察し、配筋設計上についての指針を明らかにするものである。
  • 水口 和彦, 木田 哲量, 澤野 利章, 加藤 清志
    セッションID: 2A04
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    供用中のRC橋脚の耐震補強・補修が兵庫県南部地震を契機に実施されている。本研究は、RC柱の耐震補強に関するデザインコンセプトを得るために、鋼材厚の異なる3種のコンクリート柱を鋼管により巻き立て補強を施した上で圧縮実験を行い、鋼管の変形性状の解析および拘束効果の有効性を考察したものである。また、鋼材厚と拘束強度比との関係から、支圧応力状態を考慮した圧縮耐力算定式の提案を行い、有用な知見を得た。
GS4-2 土木・建築構造解析
OS3-1 構造物の動的解析
  • 青戸 拡起, 吉川 弘道
    セッションID: 2B01
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/09/01
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    地震時における構造物の応答は、3次元的な挙動を呈し、強震時には、さらに複雑な非線形挙動を呈する。本論は,特に影響の大きい水平2方向地震動に着目し、入力地震動と構造物(鉄筋コンクリート橋脚)の非線形応答の両者について考察するものである。まず,地震動主軸を用いて,直交2軸間の地震動の強さを,近年の強震記録より分析する。次に,2方向地震動が作用する鉄筋コンクリート橋脚非線形応答解析から、主に最大応答変位について解析/整理する。1方向地震動作用時に対すると2方向地震動の応答特性を、応答変位と損傷度について、定量的に提示するものである。
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