半熔アルミナ製造上重要事項である原料アルミナ中のアルカリ除去法, 濕式粉碎と鑄込成形に關係深い泥漿のPHと粘性, 泥漿のPHと粉碎時間が製品の性質に及ぼす影響等について研究した。
原料中のアルカリはアルミナを水洗し1300℃に燒けばアルカリの半分が除去され1N. 鹽酸を20%添加し同樣〓燒すれば2/3が除去されることが分つた。泥漿の粘性はPH値により非常に變化しPH5-8の間で特に大きくなることを示し, 鑄込成形と粉碎能率に關係深いことを明にした。鑄込に適當なPH 5-4にするには鹽化アルミニウムをアルミナの約1%加えることによつて得られる。返り材は型から石膏が混入し粘性を増し製品に惡影響を及ぼすのでこの解決法としては適量の鹽化バリウム溶液を加えると良いことを明にした。
このようにして作つた鑄込體は乾燥強度が大きく半乾燥時の加工性に富み燒成收縮率は普通の24%程度から最低16%迄低下させることが出來, 正確な寸法に燒上り且つ燒成温度を低下させることが出來る等色々の利益があることを明にした
本研究は文部省科學研究費及日本學術振興會等の研究費の援助を受けた。又田賀井秀夫氏, 素木洋一氏, 加藤左織氏, 欅田勇作氏その他の方々の御世話になつた。ここに厚く感謝の意を表する。
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