日本冠疾患学会雑誌
Online ISSN : 2187-1949
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24 巻, 1 号
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原著
  • 櫻井 啓暢, 大石 清寿, 吉崎 智也
    2018 年 24 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/26
    [早期公開] 公開日: 2018/02/26
    ジャーナル フリー
    【背景】冠動脈バイパス (CABG) で右冠動脈領域 (RCA) に対するグラフト選択はいまだ結論が出ていない.今回,右胃大網動脈 (GEA) と大伏在静脈 (SVG) のRCAにおける有用性を比較,検討した.【対象】2006年2月から2015年7月に当院で行った単独CABGのうち,RCAに対しGEAまたはSVGを使用した症例.【結果】5年生存率,5年MACCE回避率は両群間で有意差はなかった.5年開存率はGEA (86%) がSVG (70%) より有意に高く,高度狭窄病変に対する5年開存率もGEA (91%) がSVG (69%) より有意に高かったが,中等度狭窄病変については両群間で有意差がなかった.多変量解析ではGEAの使用がグラフト開存の有意な因子であった (Odds比4.0,P値0.044).【結語】RCAにおけるGEAのグラフト選択は有用であるが,中等度狭窄病変においてはさらなる検討が必要である.
症例報告
  • 法里 優, 山﨑 琢磨, 松崎 雄一, 平松 健司
    2018 年 24 巻 1 号 p. 6-10
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/26
    [早期公開] 公開日: 2018/02/23
    ジャーナル フリー
    患者は68歳男性.2006年11月に急性心筋梗塞を発症し,左冠動脈回旋枝に対し経皮的冠状動脈インターベンションを行った.2007年1月に心室頻拍に対し,植え込み式除細動器 (ICD) を留置した.CT検査で左心室瘤を認め, 32 mm × 45 mmに拡大していたが,患者自身が手術を拒んでいた.2016年2月にICD感染を発症し経皮的摘出を試みたが,心室リードが心腔内に残存した.リード心腔内残存および左心室瘤に対し手術を行う方針とした.術前,重症大動脈弁閉鎖不全症を認めた.左室形成術 (ELIET),大動脈弁置換術,ICDリード抜去を行い,術中に三尖弁腱索断裂を認め三尖弁形成術も行った.左心室瘤は嚢状瘤であり,病理検査で瘤壁に心筋組織が残存していたため偽性仮性左心室瘤と診断した.術後経過に問題なく第13病日に自宅退院した.ELIET法により左室は円錐形に形成され,左室球形化を防ぐことができた.また,適切な容積縮小を行うことで,術後心機能改善を得た.
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