医学物理
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42 巻, 4 号
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解説
  • 遠藤 真広
    2022 年 42 巻 4 号 p. 201-211
    発行日: 2022/12/28
    公開日: 2022/12/28
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    医学物理は,がん治療にラジウム放射線の利用が行われるようになったとき,作業者の被ばく防護などその安全な取扱法を開発することから始まった.そして,第2次世界大戦の終了までには,これに加えて放射線によりがんを安全かつ確実に治療する方法の開発や治療効果を評価するために必要な放射線投与量の定量化(線量計測)を対象とするようになった.第2次世界大戦中の原子力技術の急速な発展により,大戦後には原子炉で生産される放射性同位元素(RI)を大量に利用できるようになり,RIの医学利用として核医学が始まった.その装置の開発や臨床利用には放射線計測やRIの取り扱いに対する知識や技術が必要とされ,核医学物理が医学物理に加わった.1972年のCTの発明は,臨床医学全体に大きなインパクトを与え,またその頃からMRI装置の開発が始まった.これにより,従来は必ずしも医学物理の領域と見なされていなかったCTやMRIの開発やその画像特性の研究が放射線診断物理として医学物理の領域に加わることになった.このレビューでは医学物理の歴史の概略を述べ,欧米最初のmedical physicistについても触れる.また,我が国の医学物理の始まりと世界的研究開発について簡単に紹介する.

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連載コラム:シカゴ通信
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