大学等において電子書籍を利用するには、電子書籍が利用できるシステムの実装と電子図書館の実現が必要であろう。電子図書館の管理システムを導入することは大前提であるが、すでに蔵書している紙を媒体とする書籍の電子化が必要となる。その時、電子書籍化する場合の基本書式はどの書式を選ぶのかが重要となる。その時の経済状況により、変換効率やコストを重視するか、汎用性を優先するか選択しなければならない。採用する書式によって電子書籍化の費用が異なるためである。また、新たに購入する電子書籍の書式も既存の書式に合わせる必要がある。現在、電子書籍の基本書式は完全には統一化されてはいない。その中でも、今後電子テキストで主流になると予想する基本書式はPDF(Portable Document Format) とEPUB(Electronic Publication)の2種類である。本稿では電子図書館を実現するためにPDF とEPUBの特徴を比較しながら、大学における電子図書館や電子書籍、電子教科書の現状と将来を考察する。
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