日本形成外科学会会誌
Online ISSN : 2758-271X
Print ISSN : 0389-4703
45 巻, 1 号
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総説
  • 垣淵 正男, 真覚 健, 鈴木 公啓, 藤間 勝子, 松本 学, 川本 恭子, 松井 徳造, 吉村 知穂, 彦坂 信, ニコラ ラムゼイ, ...
    2025 年45 巻1 号 p. 1-9
    発行日: 2025/01/20
    公開日: 2025/02/05
    ジャーナル 認証あり

     形成外科の日常臨床において,一般的な情報提供や標準治療のみでは対処が困難な患者(対処困難患者)に遭遇することがある。そうした人々への理解とケアに,アピアランス心理学が応用されてきている。もともと心理的脆弱性を有する患者に,他者から観察可能な身体的な差異(可視的差異)が発生すると,対人関係能力が低下しやすく,アピアランスに関連した心理社会的問題につながりやすい。心理的背景への理解では,社会的比較および賞賛獲得欲求と拒否回避欲求が重要である。介入技法としては段階的ケアモデルが実用的で,レベル1~4が設定されている。患者の多数を占める軽症のレベル1と2では,医療スタッフによるカウンセリングと情報提供が主体になる。少数の重症例のレベル3と4では,現場スタッフに心理士・精神科医が協力して集中治療が行われる。日本心理学会では医療者も対象に入れた教育研修会を開催して,本技法の普及を進めている。

原著
  • 小貫 ひかり, 大島 純弥, 佐々木 薫, 相原 有希子, 渋谷 陽一郎, 今井 裕季子, 関堂 充
    2025 年45 巻1 号 p. 10-15
    発行日: 2025/01/20
    公開日: 2025/02/05
    ジャーナル 認証あり

     序論:組織欠損の大きな脊髄髄膜瘤の閉鎖術では時に単純縫縮による閉創が困難であり,皮弁による再建が必要となる。しかしその術式や適応は確立されていない。
     方法:当院にて脊髄髄膜瘤と診断され,新生児期に治療を行った25例を対象とし後方視的検討を行った。皮膚欠損の大きさ・部位,脊椎後弯の有無,術式,周術期合併症などを評価した。
     結果:皮弁を用いた群は全体の24%であった。それらは皮膚欠損の横径が大きいことや脊椎後弯を合併しているほか,皮膚欠損が腰回りの最も細い部分に存在していた。皮弁はすべてbilateral bipedicled flapが用いられた。術後皮弁壊死,創離解は認められず,全例創閉鎖が得られた。
     考察・結論:皮膚欠損が腰回りの最も細い部分に存在する場合は,皮弁による創閉鎖を検討する必要がある。Bilateral bipedicled flapは比較的大きな皮膚欠損にも対応でき,デザインや挙上が簡便で有用な術式と考える。本研究は脊髄髄膜瘤の閉鎖に関して術式検討の一助となると考える。

症例報告
学会抄録
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